(55)トリップガール、怒らない。 ページ8
「それはァ〜……なんというかァ〜……成り行き?」
「全知全能の神がこんなじゃ世も末では?」
どんな成り行きなんですか、と神様相手にため息をついてしまう。どう考えてもあの成り行きだと人間になる方が自然では?
呆れかえったこちらの表情を見て自称全知全能の神(笑)が目をさらに斜め上へと逸らす。このまま見つめ続けていればそのうち白目むくんじゃなかろうか。ちょっと見てみたい。
「怒らないので正直に話してくれませんか?」
「嘘だッ!それ絶対起こるやつだって知ってるんやで!」
「そんなガキンチョみたいなこと言ってないでとっとと白状しなさい」
「うわ〜〜!ついに命令口調になってるで!!怖!!!神にタメならず命令するとかヤバ!」
「ヤバ!とか言ってる暇あるなら説明してくれませんか……ここの時間感覚よく分からないですけど、今のところ私は突然殺意を剥き出しにして殺そうとした挙句に存在消えてるみたいなことになってるんですよね?早いとこ帰って説明したいんですけど」
「うわあ、ここに来たがってた人の発言とは思えなあい」
「埒があかなすぎません?『どうして私をバグスターにしたのか』、はい答えて」
質問を簡潔にまとめて神に突きつけると、神はまたううと黙り込んでしまった。だからそうやってこちらの罪悪感を誘うのやめてくださいよう。
「……本当に怒らん?」
「怒りませんよ。なんだかもう起こっても仕方がない気がしますし」
「……本当に?」
「その小動物ムーブをやめてくれれば」
いぢめる?みたいなことを大の人型神がやってもかわいくないんですよ。
「……自分、エグゼイド好きやろ?転生させるときに、その世界への執着をちょっと見ることができるんやけど、ドロドロしてるわけでもなし、執着が無さすぎるわけでもなし、ちょうどいい感じだったんよ。せやから素直に自分のこと転生させたし、この子なら大丈夫やと思ったんよ。」
「その大丈夫っていうのは倫理的に大丈夫っていう大丈夫ですか?」
「あー、いや。『この子なら変えてくれる』っていう大丈夫やな」
変える?と聞き返すと、神はバツの悪そうな顔をする。バツの悪そうな顔しようが何しようが対応は変わりませんからね。
「この子なら、この世界をハッピーエンドに持っていける……て、そう考えたんや。全知全能の神やから、世界がどんな方向に行っているかくらいは見れるからな」
→to be continued
(56)トリップガール、尋ねる。→←(54)トリップガール、言い訳する。
204人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽんた(プロフ) - 最近エグゼイドにハマりました!!この作品めっちゃ面白くて大好きです!!お忙しいのかと思いますが更新再開されるまで楽しみにまっています! (2022年8月1日 20時) (レス) id: 45453c7a9e (このIDを非表示/違反報告)
優芽(プロフ) - とても面白かったので、更新応援してます!ゆっくり構いませんので、是非!更新して頂けると、嬉しいです! (2021年3月7日 14時) (レス) id: 1af5b39bc9 (このIDを非表示/違反報告)
肋骨 - 杏仁さん» 長らく放置していてすみません!!!これからゆっくりではありますが、完結まで書ききれるよう更新していきたいと思っています……! (2020年7月12日 17時) (レス) id: 58f2f86320 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁 - うぉあ!?更新されてる!頑張ってください! (2020年6月20日 18時) (レス) id: 658250ed96 (このIDを非表示/違反報告)
肋骨 - りんさん» りんさん……!ずっと見守ってくださっていてありがとうございます……!頑張ります! (2019年12月22日 17時) (レス) id: 4d5707816c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:肋骨 | 作成日時:2019年2月28日 20時