彼岸花の咲いた夜に【ぬら孫】

妖、共闘す ページ7

低い男の声で振り返れば、そこには刀を振り下ろす妖。間に合わない。誰もがそう思った時だった。

「あなたが地獄花？」

凛とした声と共に敵が凍りつく。

「貸し一つだから」

白い女が優雅に微笑んだ。

「そうだな・・・」

「ちょ、あんた！？」

グッと近づいた地獄花に白い女が驚く。

「雪女か」

「だから？」

手を掴まれ、睨めば、いつの間にかできた傷に手がかざされた。

「なにを・・・！？」

傷が消えた。

「彼岸花は毒であり、薬だ」

「・・・そうね」

いつの間にか背中合わせに立ち技を放つ。




風声鶴唳

百花繚乱





白い雪が舞い、色とりどりの花が舞う。

凍りついた敵は無数の花弁に切り刻まれた。

敵が一掃され、百鬼夜行が残った。

ここに用はないと歩き出す。

「礼を言うぞ、地獄花」

「気まぐれだ」

「なあ、奴良組にこねぇか？」


ぬらりひょんの問いかけに地獄花は静かに振り返った。

「考えておく」

その姿は朝霧と共に消えた。

「そうか、考えておく、か」

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