彼岸花の咲いた夜に【ぬら孫】

妖、守る ページ36

「呪ってやる！！」

淀殿から狐が飛び出し、呪詛の言葉を吐いて消えていったのだった。


抜け殻となった淀殿の体は重力に従い、下へ落ちてゆく。



「君がこれで魑魅魍魎の主や」

今までの傷により、ゴフッとぬらりひょんは血を吐く。



「今やったら・・・君を倒せるかも知れへんなぁ・・・」

その言葉に反応したのはAだった。

ボロボロの体で刀を構え、秀元とぬらりひょんの間に立つ。

「君は・・・」

「ゴホッゴホッ」

「(最後まで主人を守り通す、か)」

ぎろり

ぬらりひょんの鋭い視線が秀元に突き刺さった。


ぬらりひょんは言った。

妖を守るために主となる、と。

人と妖の共生。

彼ならやりきる。そんな気がした。







「おう！てめーら引き上げるぞ！目的は取り返したぜ」

さっていく京妖怪をみて、ほっとしたのだろうか、がくん、 Aは膝から崩れ落ちた
「A！？」

隣にいた牛鬼がすんでのとこですくい上げたため、床と衝突は免れた。

「Aさん！！」

「珱姫！大きな傷だけでいい！治してくれんか！！」

もちろんです！と大きく返事をした珱姫は一番深い肩に手を当てて傷を塞いでいく。

血を多く失ったからだろう。

とても、眠かった。

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