妖、悩む ページ16
「・・・?」
声が聞こえた気がして、屋根の上を走っていたAは足を止めた。
「・・・いや!」
ふむ。女が無理を強いられていると見る。
「ん?この妖気は・・・」
厄介だな、と屋敷を見下ろした。
結界があるが、大妖とも呼ばれる存在のAには薄い和紙のようなものだ。
問題はない。
しかし、だ。
己の主のお楽しみを邪魔して良いものなのか。
しかし己とて女である。
無体を強いる男は排除すべきか。
解決しないまま、するり、と結界の内側へ入り込んだ。
「ふん。カラス天狗の言う通り、いい女じゃ」
お。いたいた。
あれが京一の美姫、珱姫か。
って。何故私は覗きなんぞしているのだ。
その時だった。珱姫の手にもたれた刀が振り上げるように動いたのは。
ドシュッ
サクッと切れた腕の出血は少ない。まあ、自業自得だな、と息を吐き、そっと己の任務を遂行するために立ち上がる。・・・ただの大将捕獲だが。
ジュクッ・・・・ドバァアアア!!
「おいおい、・・・・それは妖刀か・・!?」
もう突っ込みどころが満載だ。まぅ、妖刀か!?じゃない。妖刀じゃなかったらあとからドバァアアアなんてありえないのだ。世間知らずの若造め。
己の大将をここまで心の中とはいえ馬鹿にできるのは、A以外いないだろう。
すると、突然光が溢れた。ぬらりひょんの出血が止まっていく。
野暮とわかりつつも、ここでAは前に出た。
「お前・・・なんだ?」
「なんだ。じゃない。私の大将ともあろうものが・・・まったく。切られたのは自業自得だ」
「...っA!?」
「今更気づいたか。いいから帰るぞ。・・・天敵もこちらに気づいたようだ」
ドタバタと足音と男の声が近づいてきた。
「"ぬらりひょん"人はワシをそう呼ぶ・・・・あんた面白いな。また来るぞ」
そう言ってぬらりひょんは闇に紛れる。
挨拶ぐらいはしておくか、と珱姫を振り返った。
「大将が失礼した。私は"地獄花"。では、これにて失礼仕り候・・・」
赤い髪が闇に飲まれて消えた。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
えー更新不定期で申し訳ないです・・・
ってよく考えたら珱姫全然話してないw
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朔桜(プロフ) - トンぬらさん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!! (2015年8月20日 1時) (レス) id: 2cea28e74f (このIDを非表示/違反報告)
トンぬら(プロフ) - 夢主カッコカワイイイイイイ(( めっちゃ面白いですね!もっと前にコメしたと思い込んでて遅れました泣こんなにいい作品なのに!更新頑張って下さい応援してます! (2015年8月19日 15時) (レス) id: 33eb7c7682 (このIDを非表示/違反報告)
朔桜(プロフ) - 夢花火さん» コメ返し遅くなってごめんなさい!(T ^ T)コメントありがとうございます!設定はそろそろでます!一段落ついたら設定作る予定です!もちょっと待っててくださいー (2014年11月19日 16時) (レス) id: 2cea28e74f (このIDを非表示/違反報告)
夢花火 - 面白いです!面白いんですが、設定はないのですか?これからも楽しみに待ってます!更新頑張って下さい(^^) (2014年11月6日 19時) (レス) id: 2a437cc357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔桜 | 作成日時:2014年10月29日 0時