輝く月のように 2 (ページ5)

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TN「Aちゃん！」
??『ちょっと待ってね』
TN「Aちゃん？」

電話をすると聞こえたのは男の人で、はてなマークが頭の上に浮かぶ。液晶を見てもAちゃんの番号に間違いない。遠くでAちゃんの名前を呼ぶ男の人とそれに返事するAちゃんの声が聞こえる。

A『ごめんね、テンくん』
TN「ううん、」
A『どうしたの？』
TN「今のは誰？」
A『うん？あぁ、メンバーだよ。私の携帯触ってたから切れちゃう前に出てくれたの』

昂ぶってた気持ちが穴の開いた風船みたいに萎んでいく。Aちゃんの傍に居る会ったことも無い男の人に嫉妬してる。無言になった僕に電話の向こうのAちゃんが困惑してるのが伝わってくる。

TN「忙しいのにごめんね」
A『テンくん？』
TN「バイバイ」

一方的に会話を切り上げてそのままベッドへと倒れ込む。最悪、最悪だ。勝手に嫉妬して勝手に怒ってる。そんな権利無いのに。どうして事務所はAちゃんをデビューさせてくれなかったんだろう。Aちゃんがf(x)でデビューしてたらきっと傍に居るのは僕だったのに。

不貞寝したせいか顔が浮腫んでて洗面所の鏡に映った自分は酷い顔をしてる。リビングへ向かうとジャニヒョンとユタヒョンが既に朝食を食べてる最中。

YT「テン、どしたん？めっちゃ浮腫んでるやん」
TN「ちょっとね～」
JN「Aが心配してたよ」

突然のAちゃんの名前に心臓が跳ねあがる。コーヒーカップを手に取るジャニヒョンも心配気に僕を伺っている。

TN「あとでAちゃんにも謝っておくね」
JN「あまり無理はしないで。何かあるなら話聞くからな」
TN「ありがとうヒョン～」

愛してるよ、とウインクすると苦笑を漏らす2人を背に自室へと戻る。不貞寝して放置されていた携帯にはAちゃんから心配するメッセージが届いていた。初めて返信を無視した。