Flower Shower × Hokuto Yoshino season2

Flower Shower × 65 ページ15

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A「少しの間だけならいいよ、絶対に素敵な女の人見つけてくれるなら」




北人「..........嫌だけど、」




A「..........約束ね。」




北人「お店にも行ってもいい？」




A「..........それはあなたのために来ない方がいいかもしれないけど」




北人「..........なんで？」




A「だってほら、素敵な女の人見つけなきゃいけないでしょ」






私の泣いてる理由を聞いてこない


彼は本当に優しい人だ



その優しさに何度救われたことか





A「明日もレコーディング？」




北人「..........うん、」




A「そっか、じゃあそろそろ...」




北人「いやだ、まだ一緒にいる。」




A「..........北ちゃん、」




北人「だって俺がライブでAさんを見つけない限り、もう会えないんでしょ？最後になっちゃうんでしょ？」




A「北ちゃん私ね、明日も朝から仕事で地方行かなきゃいけなくて、」




北人「いやだ！やだよ！」





ぽつぽつと伝っていた涙が


次第に増えていって


涙でぐちゃぐちゃの私の顔と同じぐらい


彼の顔も涙でぐちゃぐちゃになって。




いつも私の首にかかっていたハーバリウムを外して


彼の第二ボタンらへん膨らんでるから


スーツの下に今日もつけてるんだろうなあって思いながら


彼の首にかける






北人「これはAさんがつけてなきゃ、俺とAさんが繋がってられるのこれぐらい、....」




A「私はいつでもあなたを見守ってるよ、だから大丈夫。」




北人「..........ねぇ、っ、」




A「絶対に素敵なアーティストになるんだよ？」




北人「..........やだ、！まだ一緒に、....」




A「ありがとう、北ちゃん。吉野北人くん、あなたと共有できた時間は私の一緒の宝物だよ。」




北人「..........Aさ、っ.....」





こんな見え見えな気持ちに気付かない彼は


わざとなのか、純粋だからなのか



ハーバリウムをつけるために外れた手で


涙でベトベトの彼の顔を拭って


親指で彼の形のいい唇を拭って


彼の両頬に両手をあてて




A「本当にありがとう。幸せをありがとう。」




彼の唇に私の唇をそっとのせる





A「また、いつか。」







自分の体に鞭を打って


彼に背を向けて歩みを進める





本当の幸せをありがとう。









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