Flower Shower × Hokuto Yoshino season2

Flower Shower × 63 ページ13

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北人「どうしたのAさん、具合悪い？」




A「..........っ、ううん、大丈夫。」




北人「ちょっと外でよう、ここ空気悪いし」






彼がくれるいつもと変わらぬ優しさに


私が耐えられなくて視界が歪んだ


泣いたって何も変わらないのに


私のこの先は変わっても彼のこの先は変わらない


だから彼はいつもと変わらないのに


この日常から彼が抜けてしまうことが


怖くて、嫌で




こんなことなら髪の毛アップにするんじゃなかった






北人「ねえAさん、俺たちのCan't Say Goodbyeって曲知ってる？」




A「..........名前だ、け...」




北人「ふふ 笑 そっか、これもあいつの作詞作曲だよ。」




A「そうなの？またるぅに怒られちゃう、」




北人「そうだね、今度聴いてみてね。今の俺みたいで、さ.....」





夜の星空を見上げて


私に目を抜けることなく言葉を紡ぐ彼の横顔


不意に見た時に一筋流れた涙



なんで彼は泣いてるんだろう


そう聞いたらAさんはなんで？って


きっと聞いてくるからまた口を噤んで





北人「あのねAさん、もう聞き飽きちゃったかもしれないけど聞いて欲しいんだ」




A「..........うん、」






彼と過ごせる時間のカウントダウンは止まらない


だからもっと大事にしなきゃいけないのに


何も出てこなくて、涙しか出てこなくて






北人「俺がAさんをあの時、助けたのは神様がくれた偶然じゃなくて、俺が作った必然なんだよ」




A「..........必然、」




北人「連日仕事で疲れてて頭ボッサボサで、でもどうでもよかった。俺の身体があの人を助けろって言ったの。だから気付いたら車から降りて駆け寄ってた」




A「..........うん、」




北人「そっから.....少し話しただけでいい人だってわかったしなにより俺、出会って一目惚れしちゃったから」




A「..........、」




北人「たくさんお店行って、たくさん話しかけて俺必死でさ。お店行っても他の仲良さそうな男いないかなとか、美波ちゃんがとにかく羨ましくて」




A「..........っ、うん、」




北人「俺ね、こんなに好きになった人初めてなんだ。こんなに夢中になったのAさんが初めてなの。こんなに自分がどうでもよくなるくらい恋愛したのも初めて」









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