・ ページ8
一日目は難なく終了。
二日目は少し吐き気を催したが吐かずに何とか乗り切った。
問題は、3日目だった。
3日目の朝、私達梟谷学園高校男子バレー部は朗報とも悲報とも言えるニュースを知らされた。
秋「俺たち、」
雪「付き合い始めました〜!」
うおおおおっ、と朝ご飯を食べている購買が沸いた。
昨日の夜、お互いに想いを伝えあったらしい。
おめでとう、とかやっとかー、とか。
聞こえてくるのは祝福の声ばかり。
嗚呼、私がヒロインだったら、今頃木葉先輩の隣にいるのは私なんだろうな。
ヒロインは可愛い白福先輩と可愛い雀田先輩。
地味な私は引き立て役。
『嗚呼、嫌だなぁ。』
ぼそりと呟いた言葉は、吐き気と共に口から出てきて。
今度は自分の袋で口を覆う。
隣にいた赤葦が、私の肩を抱く。
また、先輩たちの前で吐いてしまう。
しかも食事の場。
とりあえず二人で全力ダッシュして、購買から出てきた。
後ろから何か聞こえたけど聞いていられる余裕がない。
吐いた花は、スイセン。花言葉は【報われぬ恋】。
赤「、、、遠山」
赤葦の声を無視して、呆然と座り込む。
涙が浮かぶ。
じわじわと零れる涙に、床が濡れる。
次に感じたのは、温もりと赤葦の匂い。
、、、抱きしめられてる、、、?
赤「思いっきり泣きなよ、ね。俺が受け止めてやるから。」
この言葉に、タガが外れたように私は泣き出した。
泣いて、泣いて、泣いて。
最後、ぽかぽかレモンティーを買ってきて、薄く微笑んだ後いつでも頼りなよ、と言いながら帰っていった赤葦を見て、また焼けつくような痛みが走った。
袋に花を吐く。
アガパンサス。
花言葉は、
『【恋の訪れ】、、、?』
22人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蜂蜜色 | 作成日時:2021年4月20日 19時