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翌日。
あの二人の姿を見たくなくても私はマネージャーだから。
誰よりも早く来て、ネットをはって。
準備しようと思っていたのに。
『え、なんでいるの赤葦、、』
体育館には既に赤葦がいて、ネットもボールもすべて準備されていた。
『あんた選手なんだから、こういうのはマネージャーに任せておけばいいのに、、』
赤「先輩たちがさぼってるって言いたいわけじゃないけど、遠山が朝一番に来て準備してるのなんとなく知ってたから。お前ただでさえつらいのに負担残すわけにはいかないだろ。」
お前、スパダリかよッ、、!!!!!!!!
『ありがとう。』
赤「ん」
そのまま先輩たちがやってきて、厳しい練習が始まる。
休憩時間になれば、木葉先輩にボトル渡すのは決まって白福先輩。
私の気持ちを知らない先輩たちが良かれと思ってやっていることだ。
慈愛に満ちた顔をしてボトルを手渡す彼女と、嬉しそうに受け取る彼。
両想いなのは一目瞭然。
気づかないのは彼ら自身だけ。
その鈍感さが、私を更に痛めつけた。
ちり、と強い痛みが走る。
『うっ!』
思わず先程までボトルを手渡していた赤葦の腕を掴む。
やばい。
吐く。
今ここで花を吐いたら、ダメだ、、、
赤「遠山!」
咄嗟に、赤葦がポケットから黒いビニール袋を取り出し、私の口に当てた。
こぼれないように、バレないように。
吐いている私に気づいた先輩たちが、心配して寄ってくる。
だめ、来ないで。今来たら、ばれてしまう、、、!
『っ来ないで!』
思わず、先輩たちに叫んでしまった。
あ、ダメだ。ダメなのに。
『あの、ごめ、んなさ、、、』
秋「お前大丈夫かよ!?いきなり吐いて!体調悪いのか!?」
木葉先輩が、心配してくれてる。
嬉しいのに、悲しい。
今も、彼の心の片隅には白福先輩がいるんだろうな、、、
彼女も本気で心配しててくれて。
辞めて、やめてよ。
私にやさしくしないで。
二度目の吐き気が私を襲い、私は再びえずく。
赤葦は私を抱き寄せた手を更に強め、大丈夫だからと言ってくれる。
みんなに心配されながら、私と赤葦は保健室へと向かった。
〜〜
この作品短めで終わるかも。
10話とちょっとぐらいかな。
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作者名:蜂蜜色 | 作成日時:2021年4月20日 19時