側にいて ページ32
『麻美ちゃん！』
扉を開けると、彼女は銃口を口に咥えていた。
『っ！』
素早く霊光を放ち拳銃を弾くと、同時に発砲音がした。
麻美「……っあ」
目を見開き、痙攣している手で拳銃に手を伸ばす。
すぐさま拳銃を蹴り飛ばし、彼女を抱き締める。
麻美「離してください！ 私は、私は死ななきゃいけないんです！ 関係ない人を巻き込むなら、危害を加えてしまうなら、死んでしまったほうが楽なんです！ お願いです……死なせてください……」
『麻美ちゃんが死ぬ必要は無い！ ……麻美ちゃん、周りを頼って。私だけじゃない。日吉さんも、舞織さんだっている。お願い……私は、麻美ちゃんに生きていて欲しいの……』
これでもかというくらいに、力一杯抱き締める。
麻美「先輩……痛い、です……」
そう言われてパッと彼女から離れる。何せ今の彼女は頭と腹部から血を流し、服が切られたのか、いくつも傷を作っていたからだ。
私の肩に麻美ちゃんの腕を回し立ち上がらせ、部屋を出ると日吉さん、舞織さんと鉢合わせた。
舞織「Aちゃん、さっき貴女の第二部隊が上の階に……ってええっ！？ 麻美ちゃん！？」
麻美「せん、ぱい……ミス、しちゃいました……」
無理矢理笑う彼女をよそに、日吉さんは彼女を横抱きにする。
麻美「すみません……私が、不甲斐無いばかりに……」
日吉「分かったから、お前はもう喋るな」
舞織「麻美ちゃんを見つけてくれてありがとう。医務室に連れて行くわ」
『よろしくお願いします。お二人は麻美ちゃんの側に居てあげてください。時間遡行軍と役人は、私たちが始末するので』
日吉「だが……」
『大丈夫です。麻美ちゃん傷つけられて、今すっごくムカついてるんで。仇も取りに行かないといけませんし』
日吉「そうか……」
背を向けて、元来た道を辿っていく彼らを見届けると、背後からガッと肩を掴まれた。
『ひっ！？』
勢いよく振り返ると、少し息を切らした鯰尾が立っていた。
鯰尾「良かった……無事だったんですね。さっきの揺れに巻き込まれたんじゃないかと思って……」
わざわざ探しに来てくれたのか。
思わず頬が緩み、そっと頭を撫でる。
『私は平気だよ。それより、さっきの揺れは何？』
鯰尾「それが、検非違使が出たんです」
『検非違使！？ 私も応戦する！ 戻るよ！』
駆け足で先程の部屋に向かう。
こりゃ大乱闘になりそう……！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 661人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛音 - あと、最後まで物語を書く人があまりいなかったので最後まで書いてくれてとてもうれしいです！最後まで物語を読み終えた達成感がとても感じられました！ (2月12日 21時) (
レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - 最初から最後まで読ませていただきました。今まで私が見てきた復讐系の作品の中で一番好きな作品です！そして復讐系はここ最近全然見ていなかったんですけど久しぶりに見た作品がこの作品でよかったと思いました！復讐系のでこの作品をこえれるのは無いなと思いました。 (2月12日 21時) (レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください！ (2021年9月6日 4時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
ショートケーキの赤いヤツ - 復讐系は読むことが少なかったんですが、とても面白いです。夢主ちゃんのために極までいく乱・・・素敵でした！更新楽しみに待ってます！ (2021年8月10日 12時) (レス) id: 4120331ea8 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - 初めまして（＾ν＾）刀剣乱舞大好きで初めの『私はあんな姉〜』から全て最新話まで読ませて頂きました♪とても面白いです(*^^*)復讐に関しては思い付いたらコメントしますね☆それでは次のお話を楽しみにしております(*≧∀≦*) (2021年1月25日 12時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まじゅっちゃん | 作成日時：2019年11月30日 16時
