同じ刀なのに ページ24
清光の声だった。
視界が明るくなり、目元の涙を拭われる。
目を彼の手で覆われていたようだった。
安定「清光、出るのが早いって」
清光「主の声が泣いてるようだったから、つい」
背後には、第一、第二部隊のみんなが居た。
『え、何で……』
薬研「大将が行ってしばらく経った時、ゲートに吸い込まれて俺たちも此処に来たんだ」
鯰尾「主さんが来るまで待機してようかと思ったんですが、加州さんが真っ先に飛び出してしまったので全員で来たんです」
三日月「久しいな。お前たち」
鶴丸「こりゃ驚いた！ お前ら随分と滑稽な姿だな！」
目が笑っていない三日月と鶴丸の間から、乱がスッと前に出て真っ直ぐ歩いて行く。
『乱？』
乱「ねぇ、どうして主さんを傷つけたの？」
弱った自分自身の前にしゃがみ、前髪を掴んで顔を近づけた。
乱「主さんはボクを見捨てないでくれた。だからボクは主さんに恩返しをしたくて修行に行って、極になったの。そんな主さんに恩を仇で返すなんて、気が知れないよ」
そう、乱は極になったのだ。
『私は彼らの主なの。もし戻って来てくれなんて言われても、こっちから願い下げだから』
ポケットからお札を取り出し小声で呪文を唱えると、灰になって消えていった。
次の瞬間、大広間の奥で耳をつんざくような悲鳴が聞こえた。
その声の主は、前の本丸の今剣だった。
髪を乱し、「義経公、そんなことを言わないでください」と泣き叫んでいる。
『ね？ ずっと一緒に居られるようにしてあげるって言ったでしょ？』
以前麻美ちゃんから教わった呪術の一種なのだが、専用のお札に特定の呪文をかけると、元の持ち主に延々と責められるという幻覚を見せることが出来るらしい。
今剣「おなじすがたなのにこんなにもちがうなんて、いまのつるぎとしてとてもはずかしいです」
隣に居る今剣が、呆れたような口ぶりで言う。
一人、また一人と、耳を塞ぎ、泣き叫んでいる。
姉もまた、そのうちの一人となった。
その時、本丸が大きく揺れ始めた。
バグの終了時間が迫っているのだろう。
『時間だ。行こう』
大広間を出て、ゲートへ向かう。
悪いと思うなら、最初からやらなければ良い。
やるからこのような報復を受けるのだ。
ピタリと足を止め、振り返る。
崩れゆく以前の本丸。
『ざまぁ』
吐き捨てるように言い、ゲートを潜った。
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凛音 - あと、最後まで物語を書く人があまりいなかったので最後まで書いてくれてとてもうれしいです！最後まで物語を読み終えた達成感がとても感じられました！ (2月12日 21時) (
レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - 最初から最後まで読ませていただきました。今まで私が見てきた復讐系の作品の中で一番好きな作品です！そして復讐系はここ最近全然見ていなかったんですけど久しぶりに見た作品がこの作品でよかったと思いました！復讐系のでこの作品をこえれるのは無いなと思いました。 (2月12日 21時) (レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください！ (2021年9月6日 4時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
ショートケーキの赤いヤツ - 復讐系は読むことが少なかったんですが、とても面白いです。夢主ちゃんのために極までいく乱・・・素敵でした！更新楽しみに待ってます！ (2021年8月10日 12時) (レス) id: 4120331ea8 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - 初めまして（＾ν＾）刀剣乱舞大好きで初めの『私はあんな姉〜』から全て最新話まで読ませて頂きました♪とても面白いです(*^^*)復讐に関しては思い付いたらコメントしますね☆それでは次のお話を楽しみにしております(*≧∀≦*) (2021年1月25日 12時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まじゅっちゃん | 作成日時：2019年11月30日 16時
