死んでないけど死んでる ページ13
『ふわぁ……編集終わったー……』
エンターキーを押し、保存完了画面が表示される。
昨日からずっとパソコンと睨めっこをしていた為、気が付けば朝になっていた。
窓の外では、太陽が霧の間から顔を覗かせていた。
蛍丸「主、お疲れ様」
襖が開けられ、蛍丸が緑茶と茶菓子を持って来てくれた。
『ありがとう蛍丸』
手渡された緑茶を受け取り、彼の頭を撫でる。
普段なら「背が縮むから」と、手をどかすはずなのだが、今日は満更でもなさそうだった。
蛍丸「これ、いつ作ったの?」
ネットの記事に気が付いたのか、茶菓子を食べている隣で、可愛らしくコテンと首を傾げた。
『麻美ちゃんに頼んだの。全ての真相が掲載された記事を作って欲しいって』
先日、麻美ちゃんに頼んでいた記事と合わせてSNSに投稿する準備は整った。
蛍丸「主が死んでることになってるけど良いの?」
そう。現世では、私は死んでいることにする。
『まぁ実際、現世だと戸籍は変わっていなくても天瀬Aは死んでるようなもんだし』
生涯をここで終えるつもりだが、仮に現世に帰らなければならなくなった時、私を知っている人物がいると厄介だからだ。
蛍丸「親友とかは……いなかったの?」
『親友なんて一人もいなかったよ。友達すらもね』
その言葉を聞いてか、地雷を踏んでしまった、とでも言いたげな表情をする彼。
『別に友達なんていらないよ。審神者やって三年は経ってるから、それだけ長い間会わなければ特別な人でない限り顔なんて忘れちゃうでしょ? それに私は、みんなが居てくれるだけで良いの』
この三年で顔つきなどが中学生の時と比べると大いに変わった。
メイクもすれば、両親であろうと尚更過去の私の顔を思い出せないだろう。
垢抜けた、とでも言えば良いだろうか。
おもむろに立ち上がり、よそ行きの服に手を伸ばす。
動画も記事も出来たし、最後の帰郷の準備をしなくては。
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凛音 - あと、最後まで物語を書く人があまりいなかったので最後まで書いてくれてとてもうれしいです!最後まで物語を読み終えた達成感がとても感じられました! (2月12日 21時) (レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - 最初から最後まで読ませていただきました。今まで私が見てきた復讐系の作品の中で一番好きな作品です!そして復讐系はここ最近全然見ていなかったんですけど久しぶりに見た作品がこの作品でよかったと思いました!復讐系のでこの作品をこえれるのは無いなと思いました。 (2月12日 21時) (レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください! (2021年9月6日 4時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
ショートケーキの赤いヤツ - 復讐系は読むことが少なかったんですが、とても面白いです。夢主ちゃんのために極までいく乱・・・素敵でした!更新楽しみに待ってます! (2021年8月10日 12時) (レス) id: 4120331ea8 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - 初めまして(^ν^)刀剣乱舞大好きで初めの『私はあんな姉〜』から全て最新話まで読ませて頂きました♪とても面白いです(*^^*)復讐に関しては思い付いたらコメントしますね☆それでは次のお話を楽しみにしております(*≧∀≦*) (2021年1月25日 12時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まじゅっちゃん | 作成日時:2019年11月30日 16時