変わり果てた姿 ページ22
目を開けると、以前の本丸にたどり着いていた。
本当に来れたんだ……
周囲を見渡すと、枯れ果てた草木、黒ずんだ雲、死んだ池の魚が目に入った。
その光景は、三年前に審神者を頑張ろうと意気込んでいた私が初めて見たものと全く同じだった。
これもひとえにブラック本丸と言っていいかもしれない。
土足で廊下へ上がり込むと、埃が舞った。
どれ程掃除されていないのだろう。角には蜘蛛の巣も張っていた。
何気なく向かった大広間には、ほとんどが横たわっている刀剣たちがいた。
加州「あ、るじ……?」
私の存在に気づいた加州清光。
加州「主だ……主、戻って来て、くれたの……?」
『はぁ?』
自分でも驚く程、低く、ドスの効いた声が口から出る。
私の声が相当大きかったのか、他の刀剣たちも私に気付き、主、主とざわめき始めた。
『何々。怖いんだけど。私はアンタらの主じゃないし。今の主はアイツでしょ?』
一期一振「しかし今、我々はこうして生きています」
足を負傷しているのか、傷口を抑え、足を引きずりながら近づいて来た一期一振。
『それは私の霊力がまだ此処に残ってるから。此処から全部霊力持ってったらアンタらなんてすぐ刀解されるんだよ。でも皮肉なもんだよね。主でもない審神者の霊力で生かされるなんて。ねぇ、今どんな気持ち?』
しゃがみこんで一期一振と視線を合わせ、クスリと笑う。
血の気の引いたその表情に、私は苛立ちを覚えた。
何被害者ヅラしてんだよ。加害者のくせに。
一期一振が口を開こうとした時、私の目線の先にアイツの姿が映った。
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凛音 - あと、最後まで物語を書く人があまりいなかったので最後まで書いてくれてとてもうれしいです!最後まで物語を読み終えた達成感がとても感じられました! (2月12日 21時) (レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - 最初から最後まで読ませていただきました。今まで私が見てきた復讐系の作品の中で一番好きな作品です!そして復讐系はここ最近全然見ていなかったんですけど久しぶりに見た作品がこの作品でよかったと思いました!復讐系のでこの作品をこえれるのは無いなと思いました。 (2月12日 21時) (レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください! (2021年9月6日 4時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
ショートケーキの赤いヤツ - 復讐系は読むことが少なかったんですが、とても面白いです。夢主ちゃんのために極までいく乱・・・素敵でした!更新楽しみに待ってます! (2021年8月10日 12時) (レス) id: 4120331ea8 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - 初めまして(^ν^)刀剣乱舞大好きで初めの『私はあんな姉〜』から全て最新話まで読ませて頂きました♪とても面白いです(*^^*)復讐に関しては思い付いたらコメントしますね☆それでは次のお話を楽しみにしております(*≧∀≦*) (2021年1月25日 12時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まじゅっちゃん | 作成日時:2019年11月30日 16時