Torch lily (ページ18)

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十八藤井ページ18

家を飛び出して社長に直談判しに行った

でも、社長も

「淳太から連絡があったのは二週間前だよ、その時はまだ家から逃げたことは聞いてなかったから場所も聞いてないんだ」

「でも！脱退って！」

「淳太がそうしてくれと言ったんだ、勿論理由は聞いたが病気のせいだと言っていた僕が知ってるのはここまでだよ」

こんな調子で何もわからなかった

それから一ヶ月後、淳太の脱退を世間に知らせ、俺たちも釈然としないままテレビや雑誌で対応することになった

「なぁ、やっぱり淳太は近くに居ると思うねん」

対応が落ち着いた頃、楽屋でしげがそう切り出した

「あんな身体で遠くまで行けるはずないし、世間にも淳太の事が知れたのにマスコミに見つけられてへんって何かおかしい」

「確かに…マスコミが見つけられてへんってことは普通の隠れ方やないってことやんな」

「それやったら近くでどういう手かは分からんけど隠れてる可能性が高いってことか」

「そうや、やから俺もう一回淳太の家行ってみるわ、なんか分かるかもしらん」

「ほんなら俺も行くわ、今日車で来てるし」

「俺も、なんや話しとったらそんな気ぃしてきたわ」

話してたしげ、濵ちゃん、照史が淳太の家に行くことになった

「俺、関西の方当たってみるわ、遠くに行ってたとしたら多分関西のどっかやと思うねん」

「じゃあ望と俺も神ちゃんの方ついて行くわ」

「了解、頼んだで」

「そっちもな」

ってことでもう一回俺らで淳太を探すことになった

「…淳太、生きてるよな…」

大阪に向かう電車の中、望が呟いた

俺は、何も返すことが出来んかった