悪の華【THE RAMPAGE】

＊王子だけの姫 ページ4

樹side



『樹』


いつものように膝枕をしていると
眠っていたはずのAが起きていた

頭をなでると気持ちよさそうに目を閉じる


『つきの手、好き』

樹『.....手だけ?俺は?』

『....//』


照れてる照れてる、笑

こんな表情見れるのは幼馴染でAのことを
よく知っている俺の特権


『....き』

樹『ん?』

『もう！わかってるくせに言わせないで！

つきなんて嫌い！』



そう言って拗ねて膝の上で顔を隠すA

そっと顔を隠す手をどけると涙目になっていた


『.....嘘、好き

大好き、だから まにうけないで』

樹『知ってる笑』



THE RAMPAGEの名字Aはメンバーからも
ファンからも、先輩達からも人気で

だけど、1人の人として名字Aを愛する人は俺だけでいい


俺だけが、いい



『つきといると、楽』

樹『なんで?』

『しゃべらなくて、すむから』

樹『笑』


よくAは俺と同じでクールとか言われるけど多分甘え下手の人見知りなだけ

だって今俺といる時はよく話すしよく甘える
今だって腰にまわした手を離さないし、



ｶﾞﾁｬ



『あ、おかえりなさい』



帰ってきたのはボーカルの3人で
壱馬さんと北人さんは明らかに不機嫌そう

陸さんもあんまり浮かない表情だし


『ﾁｯ また足引っ張ったのかよ....』


誰が?なんて言わなくてもすぐにわかる

3人の少し後に続くように紗江が入ってきた



『まだ、いたんだ』

紗江『.....』

『いい加減RAMPAGE諦めたら?

あんたのためでもあるんだよ』

紗江『......っ』


そう言うとまた楽屋からとびだした紗江


壱馬『ほんま、泣くのと逃げんのだけは
メンバーの中で1番才能あるんちゃうん?』



嫌味のようにこぼす壱馬さん

でもまぁ嫌味っていうか事実なんだけど


『つき、それだけじゃない』

樹『ん?あいつが逃げたの?』

『あいつは、つきのこと、好きだから』

樹『は、』

北人『ドンマイいっちゃん』

樹『うるさいです』

北人『llllll(-ω-；)llllllｶﾞｰﾝ…』


北人さんは明らかにへこんで陸さん達に
なぐさめられていて、

Aはゆっくりと俺と目線をあわせた


『THE RAMPAGEの藤原樹は皆のつき、

だけど1人の人としての藤原樹は私だけの
つきだから、これからも、ずっと』



考えていることが同じだった喜びに
目を細めて笑うと

またゆっくりと目を閉じて眠るA



大丈夫、これからも俺はA専属の
王子だから






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