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◇35 ページ35









―Aside―







冷たい機械音が響く部屋。




消毒液のにおい。









白いベッドの上で寝ているのは私の双子の兄。









ピッピッピッ…




と何の感情も持たないような音を出す機械。









だけどそれは、確かに涼介が生きているという証の音。



















あの夜。





救急車で運ばれた涼介と私。









私は怪我はほどんどなかったのだけど、





一応検査入院という形で運ばれた。









だけど涼介については病院に向かう救急車の中で、




こう言われたんだ。









「最悪の事態を覚悟していてください」と。









そんなのできるわけないじゃない。









覚悟していてください、と言われて




はい、そうですか。なんて






聞き分けのいい人に私はなれなかったから。









あの時握りしめた涼介の手は冷たかった。









.









.









ベッドの上の涼介は目を閉じたまま開こうとしない。









まだ私の手には冷たい涼介の手の温度が残ってる。








それを必死に温めようとするけど消えない冷たさ。









目の前の白い布団から出ている涼介の手に、






自分の手をゆっくり伸ばす。









触れていいのかいけないのか。








迷う手が空中で浮いたまま震えている。









私は嫌われて









___いたの?









『A……俺も好きだったよ。』









好き、だった…?









確かに涼介はあの男に刺された後、





私の腕の中でそう言った。









私のことは嫌いだったんじゃないの?









でも涼介はずっと。私を陰で守ってた。









絶対に自分の手で守ろうとはしなかったけど、





必ず助けてくれてた。









でもそれは双子だからで。






家族だからで。






__妹だからだと。








そう、思ってたんだ。









「涼介…」









ぎゅっと、やっと掴んだ手に力を込める。









今はもう体温を取り戻し、温かくなった手。






脈がとくとくと伝わってくる。









涼介が生きている__








これ以上の幸せはない気がしてくる。









その幸せにいつまでも溺れていたくて、





繋いだ手を握ったまま眠りについた。









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かおん(プロフ) - 完結おめでとうございます!大号泣しながら読んでました!これからも、みほさんの、作品愛読者でい続けます!なのでよろしくお願いします! (2017年6月27日 1時) (レス) id: 501f0eebb0 (このIDを非表示/違反報告)
涼介くん 愛ing(プロフ) - 完結おめでとうございます!ほんとにいい話で、号泣しながら読んでました!!!本当にお疲れ様でした(*⌒▽⌒*) (2017年6月24日 8時) (レス) id: 79f8666bcb (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 完結おめでとうございます!涼介くんと仲が悪くてそれがどのように進んでいくのか予想しながら読んでいて、とても面白かったです!最後は感動して泣いてしまいました。お疲れ様でした! (2017年4月28日 20時) (レス) id: a178829efa (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 完結おめでとうございます(#^.^#)最初から読んでました。最初は仲が悪いのかと思いました。でも読んでるうちに違うんだって気づきました。それからこの次はどうなるのかなって思いました。凄く面白かったです。お疲れ様でした。JUMPのかぐや姫もずっとよんでいきます。 (2017年4月28日 20時) (レス) id: 01dd25a0f2 (このIDを非表示/違反報告)
うえまー(プロフ) - 完結おめでとうございます(*^_^*) 毎回ハラハラして読んでいました!! 伊野ちゃん大好きなので結婚してくれて良かったです笑 本当に最高の作品でした。 お疲れ様でした(^o^)/ (2017年4月28日 19時) (携帯から) (レス) id: 63bba7a27a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みほ.。 | 作成日時:2017年4月9日 20時

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