君を守ると決めた日。

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それから俺らは施設に入れられて、




そこで数年間生活した。









その間、あいつが刃物を使って




人を殺しただなんて噂が流れた。









誰がそんな馬鹿な噂を流したのか知らないけど、





そのせいであいつへのいじめが始まった。









守りたくて守りたくて、





何度もAをいじめるやつらを









殴り飛ばしてやろうと思ったけど、





決めた約束があるから、見て見ぬふりをした。









代わりに“助けてほしい”と。






あいつに頼んだ。









職場体験として俺らのいる施設にやってきた




“さとし兄ちゃん”。









いや、“伊野尾慧”に。









Aはあの男に懐いてくれて、




よく話をしてたらしい。









相談もしていたらしいから、




俺としてはとりあえず安心した。









．









そしてお金を稼ぐためにジャニーズに入って、





伊野尾と同じグループになったときは驚いたけどな。









そしてまあ…









.









あいつが伊野尾に恋心を抱くのも想定外だったが。









．









あいつを伊野尾が引き取ってくれた時は、





仕事場でいつもAの様子を聞いていた。









「元気か？」








「ご飯はちゃんと食べてるか？」









「笑顔で、暮らせてるか？」









その質問にイエスが返ってくることは




あまりなかったけど。









Aは自分の好きな伊野尾といても、





心からの笑顔を見せることはなかったらしい。









伊野尾には「お前にじゃないと見せないよ」





って言われたけど、それはないだろ。









あいつはもう…俺のことなんて大嫌いだろうから。









それでもAが、何からも邪魔されることなく





生きていられるならそれでいい。









いや、本音を言えば




あいつともう一度喋りたかったな。









まあそんなの俺のわがままだけど。









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