JUMPのかぐや姫.｡*-11-

◇518 ページ18

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「うん、いいよ。座って」







大ちゃんがベッドに座って


その横にあたしも腰を下ろす。









「どうしたの？」







大貴「いや、あのさ…」









なにか、言いにくそうな大ちゃん。









「うん」









それでも、焦らすことはなく、



ゆっくり話を聞く。









大貴「山田がさ…泣いてたんだけど…」









やっぱり、そうか。









「うん」








大貴「え、A、知ってたの？」









「知ってたわけではないけど、



なんとなく予想はしてた」








大貴「何があったか、聞いても大丈夫？」









「大丈夫だよ。



大ちゃんが心配してるようなことじゃないよ」









大貴「よかった…」









そう言って、胸をなで下ろす大ちゃん。









大貴「さっき、漫画借りようと思って





山田の部屋にノック無しで入ったら、



目を赤くしてて」









「ノックなしじゃダメだよ〜」









大貴「だって俺ら、いつもそうだし」









「それで、どうしたの？」









大貴「"ごめん、部屋間違えた" って言って、



出てきた」








「あ〜、なるほどね。



で、そのままあたしの部屋に」









大貴「だって、山田が泣くなんて珍しくて。




何かあったんじゃないかと…」









「これだよ」









そう言って、あたしはさっきまで読んでいた本を



大ちゃんに渡した。









大貴「これなに？」









「24時間テレビドラマの原作」









大貴「あ、これが？」









「そうそう」









大貴「これを読んで、山田は泣いてたのか」









「だと思うよ。あたしも実際泣いてたし」









大貴「この本、借りていい？」









「いいよ。読んでみて」









．








大貴「それにしても、山田が泣くなんて珍しいよな」









「この話がきっと、自分と重なったんだよ。



話の中の男の子が、涼介と似てる部分が多くてさ」









大貴「へえ〜。山田とAがドラマに出るって聞いて、




驚いたもんな。応援してる」









「ありがとう」









大貴「じゃあ、そろそろいのちゃんの


誕生日が来ちゃうから、






その前にお風呂入ってくる」









「うん、いってらっしゃい」









そう言って、大ちゃんは部屋を出て行った。









ドラマ撮影、頑張ろう。



窓から見える小さな星を見ながら、思った。








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