検索窓
今日:23 hit、昨日:20 hit、合計:188,137 hit

◇954 ページ4







「涼介だって、私が涼介以外の俳優さんと恋仲を演じて、


キスシーンやったら妬くでしょ?」




涼介「妬く(即答)」





は、早い…笑



そんなキリッとした顔で言わなくても。






涼介「もしそうなったら、俺が登場してAを奪う」




「まさかの急展開だね」





そう言って私が笑うと涼介も笑う。






「仕事だけど涼介とこういう所来られてよかったよ」




涼介「俺も」




「涼介、こういうロマンチックな所好きでしょ」




涼介「Aだって好きでしょ」





そう言ってまた笑った。




.





涼介「戻るか」




「そうだね」





衣装として身につけていた腕時計を見て


そう言った涼介に頷いて、来た道を戻る私たち。






ふと手元が温かくなり見ると、



私の手は涼介の手に包まれていた。






寒い冬も乗り越えられそうだな、


とひそかに思うのだった。





.





ス「それでは撮影を再開しまーす」






スタッフの声に各々が配置につくなか、


私と涼介はベンチに腰掛ける。






監督「ここはふたりが自由にやっていいから」




「「はい」」





最後のキスシーンは台本にはセリフが書いていなかった。





監督によると、自然な感じにしたいから


アドリブで自由にやってほしい、とのこと。






涼介「緊張する?」



「うん、ちょっとね」





そう答えた私の手を涼介が握ってくれる。





涼介「大丈夫。演じようとしなくていい。



俺のAへの気持ちを伝えるから、


Aは受け止めて。そして応えて」






そういう涼介の真剣な目が私の緊張を


スーッととかしていく。




私は頷いて、深呼吸をひとつ。





「大丈夫です」





私の声に、頷いた監督が合図を出して。




カン_!






そして始まった。





少し見つめ合ったあと、


涼介の顔が近づいてきて私は目を瞑る。




お互いの距離が0になって、


優しくて甘いキスが注がれる。




本当に好きだと伝わってくる。




涼介からの溢れんばかりの愛を


取りこぼさないように、受け止めたい。





そして私の想いも受け取って欲しい。






少し離れて目を開けると、涼介が微笑んでいて。




そして涼介の手が伸びてきて、


私の両頬を優しく包み込む。





私の目を見つめて逸らさない涼介が


コツンと私のおでこに自分のおでこを合わせ、




涼介「大好き」





そう呟いた涼介に、今度は自分から


腕を伸ばして抱きしめた。





◇955→←◇953 -カインとアベル クランクアップ-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (277 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
626人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みほ.。(プロフ) - (名前)ゆいさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも楽しみにしていただけたら、嬉しいです(^^) (2019年2月23日 12時) (レス) id: bda4ffcd81 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆい(プロフ) - 占ツクの中でこのお話が1番好きです!みほさんの更新これからも楽しみにしています! (2019年1月27日 20時) (レス) id: 36417b0f2f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みほ.。 | 作成日時:2019年1月27日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。