第四十三話 ページ43
どれだけこうしていただろう。
裕一郎さんから離れると
彼は照れたように目をそらした。
裕一郎さんだけが気持ちを話して
私が伝えないのは卑怯だろうか。
・
・
「私ずっと不安だったんです」
私の言いたいことがわかったのか
裕一郎さんは再び真剣な顔になった。
「身請けされたのは
妹さんの代わりだと思って
それでも仕方ないと思ってました。
でも私のことも見てほしくて。
私はいつまで妹さんの身代わりなんだろう
って悩みました」
本当はずっと不安だったこと。
一人になると
いつも考えてしまうこと。
私の気持ちを伝えていくうちに
裕一郎さんの顔は
どんどん曇っていく。
そんな顔させたいわけじゃない。
「だから、
今日は裕一郎さんの気持ちが聞けて
本当に良かった。
今まで生きてきた中で
一番幸せです」
一瞬で裕一郎さんの顔が
明るくなる。
私の言葉でこんなに
一喜一憂してくれる人ができるなんて
あの頃は想像すらしなかった。
・
・
「秋穂さん、好きです」
照れたようにはにかんだ笑顔に
私の心はどこまででも落ちてゆく。
「私も好きですよ。
誰よりも何よりも」
ぎゅっと強く抱きしめられると
幸せな気持ちで満ちていく。
裕一郎さんも同じ気持ちだといいな。
そう思いながら私も
裕一郎さんを強く抱きしめた。
238人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ritu(プロフ) - flowerさん» 私も大好きなんです!お仲間さんだ! (2017年9月28日 23時) (レス) id: 34e9386414 (このIDを非表示/違反報告)
flower(プロフ) - Rituさん» ありがとうございます!SolidS大好きです(*´ω`*)ほぼ毎日きいてますよ! (2017年9月28日 18時) (レス) id: 1b5420c9a1 (このIDを非表示/違反報告)
Ritu(プロフ) - めっちゃ面白いです!あとあんま関係ないんですけどSolidS好きだったりしますか…? (2017年9月26日 21時) (レス) id: 34e9386414 (このIDを非表示/違反報告)
flower(プロフ) - フルパら@桃林檎さん» ありがとうございます!学校が始まってペースが落ちるかも知れませんがよろしくおねがいします!! (2017年9月14日 20時) (レス) id: 1b5420c9a1 (このIDを非表示/違反報告)
フルパら@桃林檎(プロフ) - もうっ、面白すぎてっ、続きが楽しみすぎるんですーーーーーーーーーーーっっ!!!!! (2017年9月13日 19時) (レス) id: 9ad6441d61 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:flower | 作成日時:2017年8月15日 9時