第三十二話 ページ32
いろいろ見て回って歩き疲れた私たちは
裕一郎さん行きつけの甘味処で
少し休憩することにした。
そこは大通りから少し離れたところにあって
こじんまりとしていて
お客さんもそれほど多くなかった。
「こんにちは」
裕一郎さんが挨拶すると
店主らしき女性が顔をあげた。
「あら、裕ちゃん!
ひさしぶりねー!
かわいいお嬢さん連れちゃって」
まるで親戚のおばさんのように
なれなれしい話し方だけど
不思議と嫌な気はしなかった。
「こんにちは、秋穂と申します」
ぺこりと頭を下げると
おばさんも笑顔で返してくれる。
私たちは一番奥の席に通された。
裕一郎さんおすすめの
お団子とお茶を頼む。
甘いものを食べるのなんて
いつぶりだろうか。
今度家でも作ってみようかな。
・
・
楽しい時間はすぐに過ぎ去って
気が付けばあたりは暗くなり始めていた。
「帰りましょうか」
本当はまだ帰りたくないけど
裕一郎さんを困らせたくない。
「はい」
私は精一杯の笑顔でそう答えた。
隠した気持ちがばれないように。
でもそんなこと
裕一郎さんには無意味だったようだ。
「また来ましょうね」
私のすべてを見越したように
そう微笑まれて
私はきっとこの人には
かなわないと思った。
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Ritu(プロフ) - flowerさん» 私も大好きなんです!お仲間さんだ! (2017年9月28日 23時) (レス) id: 34e9386414 (このIDを非表示/違反報告)
flower(プロフ) - Rituさん» ありがとうございます!SolidS大好きです(*´ω`*)ほぼ毎日きいてますよ! (2017年9月28日 18時) (レス) id: 1b5420c9a1 (このIDを非表示/違反報告)
Ritu(プロフ) - めっちゃ面白いです!あとあんま関係ないんですけどSolidS好きだったりしますか…? (2017年9月26日 21時) (レス) id: 34e9386414 (このIDを非表示/違反報告)
flower(プロフ) - フルパら@桃林檎さん» ありがとうございます!学校が始まってペースが落ちるかも知れませんがよろしくおねがいします!! (2017年9月14日 20時) (レス) id: 1b5420c9a1 (このIDを非表示/違反報告)
フルパら@桃林檎(プロフ) - もうっ、面白すぎてっ、続きが楽しみすぎるんですーーーーーーーーーーーっっ!!!!! (2017年9月13日 19時) (レス) id: 9ad6441d61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:flower | 作成日時:2017年8月15日 9時