第二十六話 ページ26
普段制服姿しか見たことがなかったから
先輩の私服姿を見て
寒さなんか忘れる程ドキドキする。
「先輩、来ないかと思いました」
何とか余裕な顔をして
先輩を見上げる。
上目づかいになるのは計算だった。
「来ないって言ったでしょ」
俺がどんなに工夫を凝らしても
高橋先輩にはやっぱりかなわない。
「でも、来てくれたじゃないですか」
「来ないとずっと待ってそうだったから」
実はお人好しな先輩が
そういって来てくれるのも
計算だった。
これで先輩が落ちてくれれば
すべてがうまくいくのに。
現実はそう上手くはいかない。
「先輩がそう言うって知ってて
俺は先輩の優しさに付け込んでるんですよ」
俺から目をそらす仕草すらも
いとおしく見える俺は
本当に彼女に惚れているんだと思う。
「せっかくここまで来たんだから
イルミネーション見ていきませんか」
高橋先輩を待っている間に
スマホで調べて知ったんだけど
ここの駅の近くはイルミネーションの隠れた名所らしい。
カップルが多いのも納得だ。
「今日ぐらい、いいかな」
そういって振り返った先輩は
ほんの少しだけ
わかりにくく微笑んでいて
俺だけに見せてくれるその表情に
俺はまた一段とおぼれていく。
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九条流れ星(プロフ) - あ…あれ？？目から水が……… (2017年11月21日 3時) (
レス) id: 143cb6c883 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりんご - 完結おめでとうございます！ずっと見させていただきました！江口さんの小説からのファンでして（笑）次回作も楽しみにしています！！ (2017年8月9日 19時) (レス) id: 5239b7b4cc (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - めちゃくちゃおもしろかったです！完結するのは少し寂しいですが、ラストとっても感動しました！！これからも頑張ってくださいね♪ (2017年8月8日 19時) (レス) id: b23edac3bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：flower | 作成日時：2017年7月4日 16時
