第二十三話 ページ23
高橋先輩に一目ぼれして
アタックし始めてからおよそ半年。
テスト期間も終わって
皆どこか浮足立っている。
それはきっと冬休みの前ってのもあるけど
一番の理由はクリスマス。
高校に入って初めてのクリスマスを
どうやって過ごすかで
みんな盛り上がっている。
もちろん俺もそわそわしていて
どうやって先輩を誘おうか
考えを巡らせていた。
考えても考えても
答えは出なくて
うじうじ悩むのもらしくないから
いつも通り直球で挑むことにした。
・
・
昼休みになって
鞄に本を詰め込んで図書室へ向かう。
カウンターを見ると高橋先輩がいて
また来たとでもいうような顔を向けた。
いつものように本を選んで
いつものようにカウンターに向かうけど
俺の心臓はいつも以上に激しく拍動していた。
「今日はいつもより少なめだね」
俺が手にした二冊の本を見て
先輩が言った。
そんな何気ないことでうれしくなる。
「先輩、25日俺とデートしてくれませんか?」
「もうすぐ入試だから、無理」
そっけなくされるのはいつものことで
こんなことでめげてられない。
「夜にちょっと会うだけでも
ダメですか?」
俺の精一杯の知識で
カウンター越しに上目遣いで先輩を見つめる。
困った顔で俺を見て
何も言わない先輩の手から本を受け取る。
「夜の八時に駅前の公園で待ってますから」
言い逃げするようにそう言って
俺は図書室を後にした。
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九条流れ星(プロフ) - あ…あれ??目から水が……… (2017年11月21日 3時) (レス) id: 143cb6c883 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりんご - 完結おめでとうございます!ずっと見させていただきました!江口さんの小説からのファンでして(笑)次回作も楽しみにしています!! (2017年8月9日 19時) (レス) id: 5239b7b4cc (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - めちゃくちゃおもしろかったです!完結するのは少し寂しいですが、ラストとっても感動しました!!これからも頑張ってくださいね♪ (2017年8月8日 19時) (レス) id: b23edac3bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:flower | 作成日時:2017年7月4日 16時