第十三話 ページ13
「先輩、本読んでくれましたか？」
「興味ないって言ったでしょ」
先輩はそう言うけど
この前たまたま移動教室で見かけたときは
ノートと教科書の間にあの本をもっていた。
それに何より
興味ないっていうときの顔は
俺が一目ぼれした時のような
照れ隠しの顔をしていた。
俺は我慢できなくなって
隣で歩く先輩の腕を取る。
「なに？」
怒るでもなく嫌がるでもなく
いつもの無表情で
不思議そうな顔をする先輩に
心臓が痛いほどに音をたてる。
「高橋先輩」
まっすぐ見つめると
先輩もまっすぐ俺のことを見つめる。
「好きです。
俺と付き合ってくれませんか？」
勢いに任せた告白だった。
でも気持ちは本物だし
後悔はしていない。
「ごめん。
斉藤くんは後輩だし
そんな風には見れない。」
振られるのはわかってた。
でも
その言葉は俺の胸に深く突き刺さった。
「そう…ですよね
変なこと言ってすいません。
でも俺諦めませんから」
まっすぐ見つめると
今度は先輩が目をそらした。
「諦めないって言っても…
そもそもタイプじゃないし」
先輩が年上で背の高い人がタイプってのは
さんざんほかの人から聞いて知っていた。
どれだけあがいても
自分の力じゃどうしようもない。
でも…
「そんなの関係ないです。
俺の気持ちは変わりません」
先輩は何も言わずに歩きだして
俺はそれを追いかける。
ほどなく先輩の家について
先輩と別れると
俺は自分の家に帰る道を歩いた。
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九条流れ星(プロフ) - あ…あれ？？目から水が……… (2017年11月21日 3時) (
レス) id: 143cb6c883 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりんご - 完結おめでとうございます！ずっと見させていただきました！江口さんの小説からのファンでして（笑）次回作も楽しみにしています！！ (2017年8月9日 19時) (レス) id: 5239b7b4cc (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - めちゃくちゃおもしろかったです！完結するのは少し寂しいですが、ラストとっても感動しました！！これからも頑張ってくださいね♪ (2017年8月8日 19時) (レス) id: b23edac3bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：flower | 作成日時：2017年7月4日 16時
