Step 95 カルマサイド ページ19
さっきから、Aちゃんの様子がおかしい。
茅野ちゃんの触手を見てから。
「来たね。それじゃ終わらそ！殺せんせーの名付け親は私だよ。ママが滅ッしてあげる！」
「カエデちゃん・・・止めて・・・。貴女のその触手は・・・」
独り言のように呟くAちゃん。
「その、触手はそれ以上使ったら、死んじゃうよ！！」
何で、触手の状態がAちゃんに分かるの・・・！？
「Aちゃん、本気じゃないよね。いつも。」
「えっ？」
キョトンとするAちゃん。
「隠してるでしょ？いつも。私さぁこれでも役者だったから、演技してるかしてないか。すぐわかっちゃうんだよね。」
「・・・そっか。なら、話が早い。私の本気、みたい？」
そう言って、こんな寒い時期なのに。
着ていたカーディガンを脱いで、腕捲りして、ネクタイを緩めた。
「私のために本気見せてくれるの？」
「うん。ただ・・・殺っちゃってもシラナイヨ？」
ビュッ
勢いよく出てきたのは、触手だった。
碧色に染まる触手。
「え・・・」
「どうして触手が・・・」
「Aさんまで・・・！？」
「あぁ、安心してね。これはちゃんとした本物の触手。私が作った触手だから。」
そう言って変わらない安心できる笑顔を見せた。
「さぁて、カエデちゃん。準備はいい？」
その瞬間、感じたことのない殺気がAちゃんから感じた。
「！！」
ピキピキピキッ！
「最ッ高のコンディションだよ。喜んで、カエデちゃん。貴女が、最初の私のターゲット。」
氷の檻。
それでいて、Aちゃんは微笑む。
ボボッ
「予定変更。先にAちゃんから殺るよ。殺せんせー、少しだけ待っててよ。すぐに滅ッしてあげるからッ！」
次の瞬間、触手を持った少女同士が闘い始める。
炎に包まれる茅野ちゃんの触手と、氷に包まれるAちゃんの触手。
まるで火山弾があられにぶつかっているような感じ。
「おいイトナ。テメェからみてどうなんだ？二人は。」
「カエデは不味い。もう精神が蝕まれている。青葉は・・・よく分からない。」
「はぁ！？同じ触手にしか見えねぇぞ！？」
「はぁ・・・多分、開発者が違う。俺やカエデが使ってる触手は多分シロが開発した。青葉の触手は・・・自分で開発しただと思う・・・。」
「・・・確かに有り得ない話じゃない。青葉さんは天才だ。触手を作るくらい出来る筈だ・・・。」
沢山の憶測が飛び交うけど、正解は本人しか分からないんだろうね・・・。
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作者名：あおいちご | 作成日時：2016年11月6日 15時
