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臣side
岩ちゃんは王子スマイルのまま、ゆっくりと2人の前を通り過ぎて仙崎さんに歩み寄る。
口を開いたまま動けない男と女。
仙崎さんも驚いた顔で、口パクで必死に「出て来ちゃダメですよ!」って言ってる(笑)
岩ちゃんは完全無視で、仙崎さんの隣に立つと、彼女の腰あたりに手を添えて
「知り合い?紹介してよ。」
そう言った。
は?って顔をして、岩ちゃんの顔を凝視した仙崎さんを尻目に、
岩「岩田剛典です。失礼ですが…あなた方はAとはどういった関係で?」
仙崎さん呼びから、Aさん呼びに…そして最後はわざと呼び捨てにして親密さを出す。
『うそ…本物…?』
真っ赤な顔になった女と、仙崎さんの腰に回る岩ちゃんの手を見て青白い顔をした男。
『…仙崎さんの…元の職場の後輩です…。』
男が警戒した瞳でそう答えると、岩ちゃんは「あぁ。」って余裕そうに微笑んだ。
岩「丁度良かった。お礼を言いたかったんですよね。そこを辞めてくれたお陰で、俺、こうしてAに逢えたから。」
そう言うと、腰に添えた腕にぐっと力を入れて、仙崎さんの身体を自分の方に引き寄せる。
仙崎さんはさっきの「は?」の顔キープで岩ちゃんへの凝視を継続中。
女は不愉快そうに仙崎さんを睨みつけた。
岩「…あと、一つ訂正。…Aはあっちの家こっちの家で男漁りなんかする必要ないんだよね。分かるでしょ?こんなに綺麗でなんでも出来ちゃう。ほっとかないんだよ、周りの男が。でもAは言い寄る男をさらっとかわすのが得意でね?俺ら相手にされなくって悩んでるんだ。……ね?皆?」
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you side
何?何が起きてる??
混乱しながら、岩田さんが「ね?皆?」って視線を向けた方を見ると…
『ひゃっ!!』
花純ちゃんの悲鳴。
片手をポケットに入れて微笑んでいるあっちゃんを筆頭にして…
顔面偏差値最高クラスの集団が…
ゾロゾロと歩いて来た。
固まったままの私の頭を優しく撫でたあっちゃんは「姫がいつまでも来ないから…HIROさんが姫の為に野外パーティーに切り替えたよ。」
啓「…そういうわけで……申し訳ないんだけど…ソロソロ外してもらえるかな?ここ、たった今貸し切ったの。」
花純ちゃんは…怒りの表情で唇を噛み締めると私を睨みつけ踵を返した。
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作者名:まる | 作成日時:2018年5月13日 0時