Happily ever after. 2 (ページ42)

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臣side

仙崎さんリクエストのリンゴジュースを取りにホールに戻ると…

岩「見つけた！臣さん、仙崎さんどこですか！？」

岩ちゃんが不満そうに俺を見る。

気がつくと、ATSUSHIさんが隣に来てて
「登坂…独り占めは禁止…。」
笑いながら俺の頭を両手でグリグリして来て…

「痛いです…ATSUSHIさん、勘弁してください…。」

顔は笑ってるけど、絶対怒ってるし。

啓「んで、姫は？」

「…外にいます。ちょっとお月見するって。」

・

「あら、月に帰っちゃわなきゃいいわね、姫。」

クスクス笑う声に振り向くと紗香さんの企んだような顔。
隣でHIROさんが困ったように笑ってる。

・

ATSUSHIさんの表情が強張る。

A「紗香さんが言うと意味深に聞こえる…。」

紗「…そうねぇ。深い意味は…あるかもねぇ…。」

・

それって……？

HIRO「俺の可愛い後輩たちをあんまりいじめないでやってくれよ。」

紗香さんに新しいカクテルグラスを渡すと

HIRO「じゃあ姫を見張りながら飲めるようにしようか。」

そう言って、ホールマネージャーを呼んで「庭園を貸し切ってパーティーをしたい。」そう告げたHIROさん。

テーブルセッティングを始めたスタッフを横目に、リンゴジュースの入ったグラスを持つと、

啓「それじゃ、皆も出よう。」

ゾロゾロと俺の後に皆が付いてきた。

さっき仙崎さんを置いて来た場所まで戻ると…

「…誰かいる…。」

咄嗟的に、垣根に隠れるように身を屈めると、ついて来た皆も同じように隠れて様子を伺う。

仙崎さんの前には…男女2人…。

噴水の近くにいる３人には、俺たちの足音は聞こえなかった様で気づいている感じはなかった。

・

『……家政婦だなんて……仙崎さんって、結婚じゃなくて、そこまで家事がしたかったんだ(笑)』

聞こえて来たのは、彼女をバカにした様に笑う女の声だった。