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皆さん…
誰も何も今市さんに聞こうとせずに、多分これはいつもどおり…(いつもどおりを知らないけれど)に接してる。
臣「隆二、荷物それだけで足りるの?足りないものあったら連絡して。」
直人「…とりあえず…今日は気持ちの整理して。HIROさんやスタッフさん皆に迷惑かけるのは事実なんだから、ちゃんと明日はHIROさんと話しあえよ。」
直人さんが…最後に本題に触れて今市さんの肩をポンと叩いた。
「…本当にすみません…。」
うな垂れた今市さん。
直己「俺らに対しては何も気にすることない。皆で何とかするから。」
隆「…ありがとうございます。」
岩「とりあえず!俺、仙崎さんの飯食いに来るから、淋しくないですよ!隆二さん!」
健「あ!ずるい!俺もAさんの飯食いに来るわ!」
臣「俺もー。」
「ってか、それじゃあハウスキーパーじゃなくて下宿のおばちゃんじゃないですか!」
すかさず突っ込むと、今市さんが笑い出した。
隆「仙崎さん、臣と大丈夫そうだね。」
「……あ、苦手だったの忘れてました。」
臣「え?苦手だったの?」
岩「そりゃ、あんな酷いこと言われたら苦手にもなるでしょー。」
臣「…すみません…。」
「だから、それはもういいですって!」
この一日、色々なことがあり過ぎて、登坂さんへの苦手意識は完全に飛んでた。
登坂さんが最初の印象と全然違ったのもあるんだろう。
きっと、こっちが本当の彼。
この人が、この前みたいに荒れちゃうようなことって…一体何があったのかなー。
これこそ興味本位で考えていたら、その本人が顔を覗き込んで来た。
至近距離の綺麗な顔に、思わず仰け反って後ろの壁に頭をぶつける。
一瞬、驚いた顔をした後、また肩を震わせて笑ってる登坂さん。
臣「…本当におもしれぇ…。」
これは…遊ばれてる…。
頭を抑えながら、痛さのあまり涙目で
「からかわないで下さい。」
抗議すると……
ふっと微笑んだ登坂さんは、私がぶつけたところにそっと手を置いて言った。
「隆二のこと、よろしくお願いします。仙崎さんのその明るさで癒してあげて。」
打って変わって真剣な表情になった彼。
「………かしこまりました。頼りないでしょうがお任せ下さい!」
彼らの優しさに胸が暖かくなった。
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作者名:まる | 作成日時:2018年5月13日 0時