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啓司side
「A!」
そう呼んで嬉しそうにAに近づいた隆二。
ATSUSHI君は「は?」って顔をしてる。
多分、俺も似たような表情だったと思う。
そんな俺達をさらに間抜けな顔にしたのは、それに反応したAの一声だった。
A「隆二!スーツばっちりきまってるね!」
は?
隆二?
この前まで「今市さん」だったよな?
隣のATSUSHI君の眉間にシワが寄った。
俺の足は、もうAに向かって歩き出してる。
最後の3日でこの2人に何があった?
近付く俺の姿を見つけて、にっこり笑ったA。
その美しすぎる笑顔に一気に心臓が騒ぎ出し、顔が赤くなっていないか心配になる。
A「啓司君も来てくれてたの?ごめんね、忙しいのに。」
申し訳なさそうに言うAの腰に手を回す。
隆二の表情が硬直したのが視界の端に映った。
「何言ってんの、水臭い。当たり前じゃん。さぁ、行こう?」
皆の方にエスコートして歩き出す。
そう、皆に見せつけるように。
「誰にも渡さない。」
こんな激しい自分がいるのかと、俺自身が戸惑った。
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作者名:まる | 作成日時:2018年5月13日 0時