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HIROさんの言葉に…
今市さんはしばらく無言でHIROさんの顔を見つめた後…
90度に腰を曲げて頭を下げ、
「本当に申し訳ありませんでした。」
謝った後に、周りを見渡して、
「皆さんにも、迷惑と心配をかけて、本当にすみません。………あの……それで…勝手なんですが、少しだけHIROさんと仙崎さんと俺だけにしてもらえませんか?」
もう一度頭を下げた。
HIROさんは、ふにゃっと笑った後に、
「今日はもう皆帰って。今市の今後のスケジュールについてはマネージャーとも相談して、改めて報告するから。」
HIROさんが命令するところは滅多に見ないけど、HIROさんが言うことは絶対だ。
メンバーさんも、あっちゃんも啓司君も私の方を心配そうに見たけれど、HIROさんに帰るように言われて帰って行った。
紗香おばさんは
「じゃあ、私は外回りに出るわ。」
そう気を利かせて出て行った。
「……………………。」
皆が出て行って、一瞬にして静かになった室内。
隆「遅くなったけれど…説明させて下さい。」
HIROさんに一通りのこと話し始める。
私は黙って終わるのを待っていた。
話が終わった後にHIROさんはまたふにゃっと笑って今市さんに言った。
HIRO「事情は分かった。お前の気持ちは分からなくもない。ただ……お前の歌を好きになってくれる人が増えれば増えるほど、その分だけ、お前の責任も増える。メンバーにも、スタッフにも沢山の迷惑がかかる。今回のことで分かったな?」
隆「…はい。」
HIRO「こんなに騒がれるほど…お前の歌は愛されるようになったってことだな。」
隆「…………はい。」
今市さんが天井を見るように顔を上げた。
涙がこぼれないように…。
見てはいけない…そう思って、私は視線を外した。
HIRO「A、今回は本当に申し訳なかった。」
「…謝るのは私です。騒ぎを大きくして本当にすみません…。」
HIRO「いやいや、身体張ってくれたおかげで相手の事務所より優位に立つことができたんだ。本当に頭が上がらないよ。」
「……そんな…。……あの…それで…足が治るのが1週間かかるので、その間、別の方にハウスキーパーお願いすることになります。」
HIRO「そんなの気にしないで。って言うか、Aの方が不便でしょ?逆にこっちのスタッフ手伝いによこすよ。」
…は?めっそうもない!!!
そう私の言葉が出る前に…
隆「それ、俺がやります。俺が仙崎さんの足になります。それくらいさせて下さい。」
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作者名:まる | 作成日時:2018年5月13日 0時