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車にそっと乗せられると…
今市さんを見た運転席のおばさんの目が飛び出そうなくらいに開いた。
「叔母さん、目玉落ちちゃう!」
顔の下で落ちてもいいように手のひらを揃えると
隆「何だそれ!」
今市さんが笑いながら突っ込んで来て、助手席の啓司君も笑い出した。
紗「ちょっと!こんなところにいていいわけ!?」
啓「他のメンバーは?」
隆「トイレ行くって言って出て来ちゃった。」
イタズラな笑顔。
「…いや、今すぐ連絡して下さい。これ以上心配かけないで下さい。」
隆「はーい。」
肩を落として電話をかけ始める。
隆「…臣?……今?……いやー…実はね…仙崎さん迎えに来ちゃった。はは!」
いや、笑えねー……って言われてそう。
隆「…え?笑えない?」
ほら。
隆「うん。もう紗香さんの車。もうちょいで着くから待ってて。」
電話を切った後
隆「怒られちゃった。」
「…あたりめーだろ!ですよ…。」
ははは!
今市さんは元気に笑った後に…
私の足首に視線を落として…
隆「一分一秒でも早く謝りたかった。仙崎さん、ごめん。」
悲しそうな顔になった。
「むしろ、騒ぎを大きくして余計な事しました。私こそごめんなさい…。」
無言で首を横に振った今市さんは…今度は私の両手を握って…持ち上げて…
腕の裏側に沢山付いてる引っ掻き傷を見て…
「…………本当に……ごめん……。」
辛そうに目を瞑った。
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作者名:まる | 作成日時:2018年5月13日 0時