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3人でタクシーに乗り込んだ。
紗香叔母さんが話した内容は…
今市さんが撮られた件が、明日発売の週刊誌に載ること。
相手はモデルで、事務所は交際を認める発表をすると言って来ていること。
当の今市さんは、HIROさんが何を言ってもだんまりで答えないこと。
とりあえず、事務所と今市さんのマンションは記者が殺到すると思うから、おばさんのオフィスの二階の空いている部屋に匿うことになったこと。
岩「…臣さんの言う通り…変だね。」
「……変?」
臣「…さっき撮られた写真がもう明日には載るなんておかしいんだよ。早すぎる。もう記事は出来てて、写真待ちみたいなくらい用意周到。相手の事務所が交際を認めるって言ってるのもおかしい。」
………それって………
岩「売名」
「そんな…」
数時間前、嬉しそうにはにかんだ今市さんの笑顔を思い出して、胸がぎゅっとした。
オフィスに着いて…急いで中に入ると、HIROさんと事務所のスタッフさん数人、今市さん、山下さん以外の他のメンバーも揃っていた。
叔母さんは私を見ると困ったように苦笑いした。
「…あの…私は上に上がってます…。」
部外者の私がここにいるのは完全に興味本位に取られてしまう。
臣「…上?」
二階に上がるドアに向かおうとすると登坂さんが不思議そうに聞いてくる。
「あ…今、私、ここの二階に住んでるんです。」
岩「え?じゃあ、隆二さん、しばらく仙崎さんと一緒に暮らすの!?」
いや…そうなるでしょうけど、岩田さん、今そこ重要じゃない…
エ「えぇ!?ずるい!うまい飯食い放題!?」
「いや、今そこじゃないでしょ!問題は!」
思わず突っ込んだ瞬間…
部屋がしーんとなった。
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作者名:まる | 作成日時:2018年5月13日 0時