045 ページ45
…
…
んー…
完全に見失ったな、これ。
…ま…いっか。
登坂の分も飲んじゃえ！
人混みの中、登坂を探すのを早々と諦めて、バルコニーへと出た。
最近仕事が忙しかったから…
今夜はハイスペック男子の名刺より、夜風を感じてお酒を飲む方が良いかもしれない。
手すりに腕を乗せて、ワイングラスを転がしてたら…
背後に人の気配がして…
「パートナーとはぐれちゃいました？」
静かな落ち着いた声が響いた。
振り返ると…
そこには、私と同じくらいの年齢の男性が立っていて…
「…あなた…」
見覚えのある顔に、脳内フル稼働して…
「…あ。」
差し出された１つの名刺を思い出す。
「…良かった。覚えててくれたんだ？」
「失礼しました、水澤様。先日は大変お世話になりました。」
突然現れた新規の取引先の専務。
この年齢でその地位を手に入れたかなりのやり手。
「ははっ。硬いなぁ。今日は秘書のお仕事じゃないんだからもっと力抜いてくださいよ。」
そう言って爽やかに笑った彼は…“隣良いですか？”と紳士的に聞いてきたから、立っている場所を少しずれて笑顔で頷いた。
「水澤さんも招待されていたんですね？」
「僕は社長のお供ですよ？綺麗な女の子連れて行ったらって言ったんですけど、僕の名前を売るチャンスだろって引っ張られて来ました。」
「若い女の子よりも水澤さんの将来優先だなんてとっても期待されてるんですね。」
「いやいや…それより…驚きましたよ。今ワイドショーを騒がせている某有名アーティストのお相手が七海さんだったなんて。」
少し愉快そうに私を見つめた水澤さんに…
苦笑いで返すしかない私。
「…長いんですか？お付き合いして？」
「え？…あ、いえ、本当につい最近で。」
「そうですか……それは尚更残念だな。」
「え？」
「彼よりもう少し早く出会っていたら、僕も頑張ったんですけど。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 301人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
利音(プロフ) - まるさんの作品大好きです。。。新作ありがとうございます⋆⸜♡⸝⋆ (10月12日 2時) (
レス) id: 6af89108d7 (このIDを非表示/違反報告)
dandelion8391(プロフ) - ◎まる◎さーん‼‼驚いて二度見、いや三度見して、叫んじゃいました(ﾟ∀ﾟ)おかえりなさい！ゆっくり読ませていただきます！ (10月5日 21時) (レス) id: d7a80fe301 (このIDを非表示/違反報告)
けいちゃん(プロフ) - 久しぶりです！お待ちしておりましたよ！ (10月5日 16時) (レス) id: 62c26f1e02 (このIDを非表示/違反報告)
シュン(プロフ) - ◎まる◎さんありがとうございます！絶対読めないと思ってた作品なので本当に嬉しいです。やっぱりまるさんの臣ちゃん大好き。リアル臣ちゃんと重なります (10月5日 16時) (レス) @page43 id: edf4f9d9dc (このIDを非表示/違反報告)
y0u（よぅ）(プロフ) - 更新嬉しいです(*´-`)お帰りなさい！！ またまるさんの作品読めるの本当嬉しいです🎵 (10月5日 11時) (レス) id: 424b4648f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◎まる◎
| 作成日時：2020年8月17日 8時
