King and Queen

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…






私たちのテーブルの横に立ち、登坂に声をかけてきたのは…







芸能人？







モデル？







スタイルの良い、ロングヘアの美人さんだった。







“誰？”って登坂の方を見ると…






一瞬、明らかに面倒くさそうな顔をした後、瞬時に笑顔を作って…






「久しぶりだね。」

そう言って立ち上がった登坂。







「…今日は…どなたと？」

私の方は見ようとせず、…と言うより私の存在をわざと無視するように聞くその女性に…



登坂が私を紹介しようと視線をこちらに向けたとき…



登坂のスーツのポケットに入っているらしきスマホが振動し始める音が聞こえた。





困ったようにスマホを取り出して、画面を確認した登坂は…





「悪い…ちょっと急ぎの電話かも。待てる？」

心配そうに私に聞いて来るから…





「どうぞ？ゆっくりで良いわよ？」

笑顔で答えると…





チラッと立っている女性の方を目配せして“相手にしないで流して”と口を動かした。







んー…？







“分かった”同じく唇だけを動かして答えると、やっぱり心配顔の登坂は笑顔を作ってその女性に向き直り

「ごめん。電話が来たからまた今度。」


そう言って、フロアから出て行った。





…それを確認した瞬間…






「…あなた…モデル？…事務所どこ？」


女性…いや、女の態度が豹変した。

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