King and Queen

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臣side




初めて合鍵を渡した女に怒られた。




自分で言うのもなんだけど…




普通はもっと喜ぶんじゃないの？




ま、カモフラージュ彼女で、こいつ俺のこと嫌ってるしな、最初から。






…？





急に自分のテンションが下がったことに気がついて戸惑う。






なんで？





…ま…いっか。

とにかく熱が下がりきらなくて怠くて仕方ない。

頭が正常に動いてないから今は考えるのやめとこ。





「ほら、もう寝てなさいよ！」

もたもたしてたらまた怒られたけど…

何か寝室で1人で寝るのが嫌で、布団を引っ張り出して来てソファーで寝始めたら…


「1人で寝たくないとか子供か！」ってまた怒られた。





…こいつ






俺といるといっつも怒ってるよな…。







小さくため息をついて天井を見つめてたら…


ニョキッと視界に入ってきた彼女の顔。



「わっ…びっくり…したぁ。」

「大丈夫？」

「何が？」

「いや、ため息ついてたから調子悪くなってきたのかなって。」

そう言うと、俺の額に手を当てて“上がって無さそうだけど…”って首を傾げてる彼女に、心の中で“お前にため息ついたんだよ”っ呟いたら…


斜め上を見てた彼女がくるっとこっちを見下ろして


「今、悪口言ったでしょ？」
目を細めて聞いてきた。



「……お前、怖いよ。エスパーかよ？」



「ってことは、言ったね？悪口！あんたっていっつも私にはそうだよね。」


今度は彼女がため息をついて、俺から離れようとしたから…






パシッ


思わず掴んだ細い手首。







「「は？」」


目が合う俺と彼女。







「いや、あんたの“は？”はおかしいでしょ！」







…








「……確かに。」








…







「…何よそれ！あはは！！」







彼女が…初めて俺に満開の笑顔を見せた。

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