Sweet four seasons〜7

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岩side





“復習中”…そう言ったってことは、彼女は元の職に戻るつもりだ。




外出もままならないけれど、彼女が前を向いて歩き出そうとする姿を見て、応援したいって思った。






一度ピタッと止まった手は、また優しく動いて…






「はい。拭けましたよ？」

頭上から聞こえた穏やかな声に顔を上げると…







綺麗な微笑みを浮かべながら…

「…ありがと、岩ちゃん。決まったら、教えるね？」


そう言って、俺にバスタオルを渡した。








「…なーにが決まったら？」


背後から聞こえた声に驚いて振り返ると…







「え？臣さん？風呂終わったの？早くない？」

リビングの壁に寄りかかってこっちを見てる臣さん。






「ん？まだ入ってないから。着替え忘れて取りに来たら、何だか大事な話してたから？」





そう言って、俺らに近づいてきた臣さんは…

カウンターの上にある医学書に指先で触れると…




“そういうことね…”って小さく呟いた後で






「わっ！ちょっと！登坂、何！？」


彼女の頭をわしゃわしゃーっと撫でて一言言った。






「頑張れ。」







驚いた顔で臣さんを見て…







その後俺の顔を見た彼女にうんうんと頷いて、俺も一言。







「頑張れ。」








「…ありがと、2人とも。」

照れたように笑った彼女を見て…








やっと…








暗闇の中に一筋の光が見えた…







…そんな気がした夜だった。









…この彼女の決断が…









…後に、俺たちの運命を大きく変えることも知らずに…。

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