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臣side
「…ここで立っててもしゃーないから、とりあえず、リビング行くぞ。」
健ちゃんはそう言って彼女の肩を叩いた。
リビングに戻る最中…
「臣さん…。新庄さん…何で俺らいたのに驚かなかったんだろう?」
岩ちゃんが小さく低い声で話しかけてきた。
「…由紀子さんに聞いたんじゃない?」
「…俺も最初はそうだと思ったんだけど…もし、それはそうだったとして…何で名前まで知ってたと思う?わざわざ三代目の登坂と岩田と住んでるとか言うかな?由紀子さん。だって新庄さんって海外生活長いから言ったところで俺らのことなんて知らない可能性の方が高いじゃん。」
「…確かにそう言われてみれば…。」
「…俺、何か嫌な予感する。」
岩ちゃんが難しい顔になった時…
「…ほんで?あいつ、何て?」
ソファーにAが座ったか座らないかのうちに、健ちゃんが険しい表情で彼女に聞いた。
俺らも彼女の近くに座ると…
さっき新庄さんから渡された白い封筒を開けずに見つめた彼女は…
「…冬夜が…将来個展を出す日が来たら…私を1番先に招待して見せたい写真があるって…昔言われてて……それで…明日の午前中に来て欲しいって…。」
苦しげにそう言った。
そんな彼女を見て、健ちゃんの表情も一瞬切なげに歪んだ後…
「…行くんか?」
伏し目がちな彼女に真っ直ぐに聞いた。
「………………。」
『行く』『行かない』の選択どころか『分からない』すら出てこない彼女は相当混乱しているのが分かって…
「…A…あんま時間はないけどさ…、一晩、ゆっくり考えたら良いよ。」
…行くな。
…行って欲しくない。
…本音は押し込めて…
俺は必死に笑顔を作ってそう言うと…
彼女は俺の顔を見て、ハッとしたような表情になって…
「…ごめん…登坂…皆も。…そんな顔させて…。私、最近皆にそんな顔しかさせてない…。」
消え入りそうな小さな声でそう言うと…
「…ごめん。部屋に戻る。」
「Aっ!」
泣きそうになるのを堪えて彼女は慌てて立ち上がって部屋へと入ってしまった。
「…新庄さん…何で今なんだよ…。」
岩ちゃんが…やりきれない様子で膝の上の手を握りしめた。
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◎まる◎(プロフ) - mayukaさん» そうなんですよ…(//∇//)!浴衣…登坂さんの浴衣を想像しただけで…もう脳内happyです(≧∀≦)!mayukaさんのコメントにはリアルhappyです(T-T)いつも、本当にありがとうございます! (2020年5月16日 20時) (レス) id: 3781d568eb (このIDを非表示/違反報告)
mayuka(プロフ) - ◎まる◎さん、こんにちはー(^^)とうとう出て来てしまいましたね、恋敵。なんかもー色々ずるいー主人公ちゃんが迷っちゃうような出現の仕方(笑)ハラハラしますね…。でも、臣さんの浴衣姿想像出来たからハラハラからハカハカしました(*´艸`)(心のお星様ぽちっ) (2020年5月16日 17時) (レス) id: 646b85d38a (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - ひろみさん» ひろみさーん!!ありがとう!無事に終わりました(≧∀≦)また改めて、メッセージします! (2020年5月14日 20時) (レス) id: 3781d568eb (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - SUIHOさん» いつだったか、ケンジさんと登坂さんの浴衣のツーショット…あれはもう大興奮でした!あれを思い出して書きました(笑) (2020年5月14日 20時) (レス) id: 3781d568eb (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - dandelion8391さん» 過去最高レベルの怒涛の更新…いかがでしたかー(汗)!?流石に焦りますよね…(T-T)ゆっくり読んで下さいね! (2020年5月14日 20時) (レス) id: 3781d568eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2020年5月9日 16時