Sweet four seasons〜7

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臣side






「今回、時差少ないから楽っすね。」

「本当。あっちこっち行ってたら、もう日付どころか時間の感覚訳わかんなくなる。」

「あー。何かでもほっとするな。海外行くと知ってる人誰もいないから気楽ーって思うけど、やっぱり帰ってくるとほっとする。」

「分かる分かる。」








スタッフに送ってもらう道中、俺らがいない間に、彼女に特別何も起きなかったことが俺らを安心させていた。









車の中から明かりが灯る彼女の家を見つけただけで疲れが飛んじゃうのを感じて…









「晩飯何かな。岩ちゃん、何リクエストしたの？」

「俺、和食。」

「まじ？俺も？」

「まじっすか？怒られませんでした？」

「怒られた、怒られた。範囲が広いって。」

「ははっ！一緒！」





2人で笑いながら車から降りて…





何となく、顔を合わせてインターフォンを鳴らすと…






『はーい……あれ？…やだー、何で今更インターフォン？びっくりしたー。』

聞こえてきた元気な声。








「「ただいま。」」





モニター越しに見てる彼女に笑顔で手を振ると…




『今開けるね。』

そう言って、すぐにカチャっと開いたドアの隙間から彼女の笑顔。




「おかえ……わっ！」

「ちょっと臣さん！ズルい！」




可愛くて、出てくるなり抱きしめた俺の腕の中のジタバタしてるAと引き剥がそうとする岩ちゃんとわちゃわちゃしながらリビングに入って…





「あれ？健二郎も寄るって言ってたよね？」

食事の準備をしながら、ソファーに転がる俺らを見たAに



「あ、ちょっと用足してすぐ来るって。」

スマホをいじりながら答えた時だった。




鳴り響いたインターフォン。

「お。早速？」

今度はモニターを確認せずに玄関へとパタパタ走って行った彼女の気配を感じながら、岩ちゃんと俺に同時に入ったLINEの着信音に気を取られて…




『もうちょい遅れるわ。』



健ちゃんからのメッセージに固まった。





「岩ちゃん…今、誰か来たよね？あいつ、モニター確認した？」


「いや、してないっす。」


慌てて、玄関に向かって…





目に入った光景に言葉を失った。






そこには、男に抱きしめられてるAの後ろ姿。





男の顔は…切なさと…愛おしくて仕方がない、そんな顔で歪んでいて…





「…会いたかった…。」









…









静まりかえった玄関でそのたった一言が響いた。

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