�� ページ45
「さて、エスコートさせて頂いても良いでしょうか？」
ニンマリ笑った直己さんが私に向かって腕を差し出した。
「私なんかで良いんですか？」
優しい笑顔にほだされて、私の心も軽くなる。
「勿論！」
「では、喜んで。」
すっと、その腕に手を絡ませて、会場内に入る。
背中が見えないように、肩からは彼のジャケットをかけられて。
「何か飲みます？」
「直己さんは？」
「んー、俺ビール。」
「そこはカッコ良くワインとかシャンパンじゃなくて？」
「ライブ終わりはビールでしょう！」
2人でクスクス笑いながらドリンクコーナーに向かっていると…
「…失礼、そちらの綺麗なサンタさん、お借りしても良いですか？」
背後から聞こえてきた声に、一気に頬は紅潮した。
「おー、臣、来たか。」
楽しそうに笑った直己さんは、『じゃあ、楽しんでね、Aさん。』そう言って、あっさりと私から離れて行く。
「え！？ちょっ…直己さん！？」
オロオロしてたら…
「…俺じゃ役不足？」
大きな音の中でもハッキリと聞き取れる大好きな声。
「め…滅相もありません！」
また誤解されてはと、慌てて振り向こうとした時…肩からかけてあったジャケットがストンと床に落ちた。
「「…あ…」」
床に落ちたそれを拾おうとした瞬間…
フワッと肩に掛けられた、記憶にある香水の香り。
振り向けば、一瞬でジャケットを脱いで、それを私に掛けてくれた登坂さん。
「…だから直己さんのジャケット羽織ってたのね。」
「…すみません…見苦しいものを…。」
「…いえ、俺得でした。」
「はい？」
「ううん。何でもない。Aさん、乾杯しよう？今、お酒持ってくるからここから動かないこと！誰にも付いてっちゃダメだよ？」
まるで子供相手にそう言うように私を見た登坂さんは、彼に話しかけたくてうずうずしてる女性社員の視線を受けながらアルコールを取りに颯爽と歩いて行った。
…すごいクリスマスプレゼント貰っちゃった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 572人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
◎まる◎(プロフ) - しまさん» ありがとうございます(//∇//)とっても嬉しいです！お時間ある時、ぜひ遊びに来てください(^-^) (2020年6月21日 23時) (
レス) id: 508ee6699a (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - こんばんはいつも読ませていただいています。短編また読めて嬉しいです。一気読みしちゃいます。 (2020年6月21日 21時) (レス) id: ab3f80523f (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - ひろみさん» ひろみさーん(//∇//)Love！短編集で皆さんの中の1番のお気に入りが気になる今日この頃…コメントありがとうです(≧∀≦)！ (2020年6月20日 10時) (レス) id: 508ee6699a (このIDを非表示/違反報告)
ひろみ(プロフ) - いやっほーいヽ(〃∀〃)ﾉ短編空いてて嬉しいですー\(//∇//)\ 短編巡りしちゃいまーすヽ(〃∀〃)ﾉ 一目惚れの恋の行方、好き♪ (2020年6月20日 10時) (レス) id: 1d04770cad (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - ターちゃんさん» はじめましてo(^-^)oコメントありがとうございます！飽きないだなんて嬉しすぎますー(//∇//)期待に応えられるよう、バージョンアップしていつかまたお会いできますように…(≧∀≦) (2020年5月24日 20時) (レス) id: 304fe1b090 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◎まる◎
| 作成日時：2020年3月12日 2時
