Sweet four seasons〜１

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「失礼しました。」




新海さんと私はドアの前で会釈してから廊下へと出た。








…









「……新海さん……入る直前に言うとか、卑怯ですよ。」


カートに寄りかかって、恨めしげに彼を見たけれど…




「仕方ねーだろ。HIROさんのご指名なんだから。」


全く悪気なくニヤッと笑って、私の頭をポンと触った。




「…知ってたら、千里に頼んだのに。」




「…いや、電話取ったのお前だから、お前が来ただろ？お前は仕事に私情挟むタイプじゃないしな。」




さらっとそう言った新海さんの一言に…





信頼してると言われたようでくすぐったくなった。





「…そんなヨイショしてもダメですよ。…コーヒーカップ、回収に来ますので、終わったら連絡下さい。」





笑顔でそう言って、カフェへと戻る。






掃除をしていた千里にコーヒーを持っていった相手を伝えると…





「え！？隆二もいたの？！」





本気で驚いていたし、メンバーのあの様子じゃ、本当にHIROさんがここのコーヒーを飲みたかっただけなんだろうと思った。







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1時間後…








新海さんは別の仕事で手が離せないようで、代わりのスタッフからコーヒーカップを下げて欲しいと電話が入った。







早番だった千里はもう帰っていて…






私はさっきのカートを押しながら、会議に使われた部屋へ。






誰もいない部屋に入るのにも、一応ノックをして“失礼します。”と頭を下げて顔を上げた瞬間…









「え？」


間抜けな声が出た。







…そこには…







HIROさんと、メンバー7人だけが、座ってこっちを見ていたから。

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