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怜side
「…ん……」
…えっと…
…何してたっけ？
暗闇の中、ぼんやりと身体を起こすと…
「…目ぇ覚めたか？怪我は？」
頭上から聞こえた声に、顔を上げる。
暗闇に目が慣れるまで少し時間が掛かったけれど…
そこには、私を抱きしめる健二郎の優しい顔。
…えっと…？
！！！！
記憶を辿って一気に思い出した、あの恐ろしい女の顔、鏡から出てきた両腕。
一気に震え出した私を、健二郎はぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫やから。俺がいる。…それに…引きずり込んだ後は、あの女出てきてないんや。」
「…本当？」
「ほんまや。」
「…ここは？どこ？」
健二郎の腕の中で、そっと周囲を見渡す。
土の壁、床も…土…
古びたベットが１つ…
それだけの空間。
そして…目に入ったのは、鉄格子のついた小さな窓のある扉。
「…牢屋…みたい。」
「そうやな、俺も思った。」
「…あそこから出られる？」
「どうやろ…」
「…？」
動こうとしない健二郎を不思議に思って、彼の顔をもう一度見つめると…
彼は、困ったような笑顔を私に向けて…
「すまん、怜。…落ちた時…足やってしもうた。情けな。」
そう言って、自分の頭をくしゃくしゃとかいた。
「え！？どっち！？」
“右…”
小さく答えた彼の声が聞こえたか聞こえないかのうちに、スマホのライトを照らして、健二郎の足首を確認して…
「…すごい腫れてる…。」
泣きそうになった。
「あーっ、泣かんでええから！お前に言ったら絶対そんな顔すると思ったから言いたくなかったん。」
そう…もう一度、優しく私を抱きしめた健二郎は…
「お前に怪我なくて、ほんま良かった。」
愛おしさに溢れた声で耳元で小さく言うと…優しい手で、私の後頭部を優しく撫でた。
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黒猫(プロフ) - ずっと溜めてはいた物の気になって一気読みしてしまいました。あとがきを読み部屋で1人で『嘘でしょ？！』 と声を出してしまいました。またご縁がありますように。 (2021年1月29日 22時) (
レス) id: 65cf13def1 (このIDを非表示/違反報告)
シュン(プロフ) - まるさん有難うございました！またまた全部読み直しました〜何回読んでもわくわくする素敵な小説本当に有難う〜またいつか主人公と臣くんのラブラブいちゃいちゃ読みたいです！ (2020年11月17日 15時) (レス) id: edf4f9d9dc (このIDを非表示/違反報告)
rottamama(プロフ) - まるさん、もう~ありがとうございますって何回も言いたいです！一気に読み返してしまいました！また、お会いできて嬉しかったです！ (2020年11月16日 22時) (レス) id: bb0c739462 (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - ゆゆこさん» えー(//∇//)！そんな嬉しい感想ありがとうございます！独特な世界観ですが、お付き合い頂けて幸せです！ (2020年2月23日 13時) (レス) id: 2f9468fade (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆこ - とんでもなく面白くて引き込まれました！『sweeper』にもハマってしまい、この微妙な寝不足からいつ抜け出せるのやら…笑 続編希望ですっ！ (2020年2月23日 12時) (レス) id: d797c066d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◎まる◎
| 作成日時：2019年12月1日 20時
