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臣side
HIROさんは「契約解除はしない。」と言い切って仕事に戻って行った。
そして、透さんは電話で呼び出しがあって夜優と警察署に戻ることに。
「…本当は、もう1つお前に話しあったけど、夜また来るわ。」
透さんはAにそう言って出て行った。
メンバーはオフだけど…外出は控えて、館内にいることに。
エ「プール行こ!プール!」
健「おー、プール日和やな!」
直人「そしたらさ、夜飯はプールサイドでバーベキューにしない?」
岩「いいっすね!!」
Aは…疲れたような…少しホッとしたような表情で…ぼーっと出て行く透さんと夜優の車を窓越しに眺めている。
翔威は少し離れたところから俺と同じように見ていた。
…………………俺は………
迷った末…
Aに向かって歩き出す。
「A…」
「…おバカな私に何の用ですか?」
「………………怒ってる?」
「…ううん。皆に言われるから、バカなんだろうなって受け止めとく。」
ふっとAが微笑んでこっちを見た。
「…今、話していい?」
「……また説教?」
「違うよ。」
今度は俺が少し笑った。
Aの手を引いて、外に出て、噴水前のベンチに腰掛ける。
夏らしい日になって来た。
噴水前の近くが心地良い。
ベンチは丁度木陰になっている。
A「気持ちいい天気だね。」
静かに空を見上げる君。
A「この前の撮影を思い出すな…。」
「…本当だね。」
そう言って俺も空を見上げてる……1つ深呼吸をした。
「…昨日はごめん。無神経だった。自分の気持ちを押し付けた。」
Aは空を見上げたまま小さく首を横に振って言った。
「…謝らなくていい。臣が言った通り…詩音は喜ばない…。」
彼女の口から“詩音”という言葉が出ると、俺の心臓は小さく締め付けられる。
彼女は、5年前、どんな風に笑っていたんだろう?
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作者名:まる | 作成日時:2018年3月23日 13時