Level S……5 (ページ40)

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直人side

眠ったAと看護師を残してメンバー全員一旦廊下に出た。

入院手続きや入院に必要なものを揃えたマネージャーが戻ってくる。

マ「もう少ししたらHIROさんも来るって。今、下で泉月さんの友達の警察の人とすれ違ったけど…何かあった？」

「…うん。HIROさん来たら説明するよ。」

タイムリミットは2時間…。

警察は翔威がいる場所の目処さえついていない様子だった。

透さんと連絡が取れないことにも胸騒ぎがする。

翔威と透さんに何かあったら……今度こそAは生きていけない…

看護師が部屋から出てきた。

臣「…彼女は？」

看「薬でぐっすり眠っています。1時間位で…目覚めるかと。」

岩「…俺らも探しに行っちゃダメですか？」

「岩ちゃん、気持ちは分かるけど、今俺らが勝手なことしたら逆に迷惑がかかる。せめて透さんでも居てくれたら良かったけど…。」

隆「夜優が何とかしてくれるはず…辛いけど…俺らが今頑張ることは、ここでAに無茶させないで待つことだよ。」

直己「…飲み物買って来ましょうか？」

「…頼める？念のため、1人で行かないで。」

臣「…俺、Aの側にいます。」

「あ、俺も行く。」

「「…え？…」」

病室のドアを開けて…俺と臣は呆然とした…。

もぬけの殻のベット…

開かれた窓…

「…何で？ここ二階だろ？」

窓も危険防止で全開には開かないようになっているけれど…

Aが無理やり出ようとすれば出られる程度の隙間はあった。

「隆二！！夜優に連絡して！！Aがいない！！」

臣が走り出そうとするのを捕まえる。

「勝手に動くな！これでお前がまた狙われたらどーする！？」

俺の言葉にハッとして止まる臣。
臣「…直人さん！でも、あいつ…傷口開いたら…。」

「…分かってる。でも、こういう時こそ落ち着こう。」

これは、俺自身に向けた言葉でもあった。