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夜優side
翔威と透…ほぼ同時に連絡が取れなくなったことに…嫌な予感がした…。
「衛都に連絡してみる。」
そう言って廊下に出ると、臣が私の後に続いて病室から出て来た。
臣「…透さんの件で気になることがある。」
夜「…何かあったの?」
臣の話では、透は何か考え込んでいた様子で…Aが怪我をしているのにうわの空で透らしくなかった…と言うものだった。
透……何か手がかりでも掴んだの…?
救急搬送から手術が終わるこの時間まで、5時間が経過していた。
こんなに連絡が取れなかったことはない。
「臣を狙った女って…確か翔威の腹違いの姉さんよね?」
臣「…夜優も知ってたの?」
「この前、バーベキューした日の夜に色々教えてもらったの。Aが神田の一族がまた翔威に接触して来たらって心配してたから、顔ぐらいは頭に入れておこうと思って、写真は手に入れてた。」
臣「あいつ…お姉さんのこと見ちゃって動揺したとかないよね…。」
「…だとしても、姿を消すことはないでしょう…。あ…ごめん、衛都から電話だ。
もしもし?衛都?
丁度良かった。私も電話……」
衛 “夜優さん今どこ!?病院??急いで署まで戻って!!!…翔威の件で話がある!!”
詳細は署に着いてからと言われて…電話はすぐに切れた…。
私の様子を見ていた臣が心配そうな表情になる。
臣「…何?何かあったの?2人とも大丈夫なんだよね?」
「…署に戻るように言われた。臣…Aには衛都から呼ばれて戻ったこと言わないで。電話したけど衛都も分からないみたいだから、もう1回透探しに行ったって言っておいてくれる?また戻ってくるから…それまでAの側にいれるかな?」
臣「任せて。Aの側から離れない。…頼りないかもしんねーけど、俺が側にいるから。」
「…心強いよ。じゃあ、また後で。」
臣「…あ、夜優!」
「ん?」
臣「お前も気をつけろよ。お前に何かあったら、Aと隆二、生きていけないからな。」
ニヤッと笑った臣に、私は頰が熱くなるのを感じながら
「分かってるわよ!」って返事をした。
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作者名:まる | 作成日時:2018年3月23日 13時