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三代目のリハ順が近づいてきて、会場に向かって廊下を歩いている時だった。
衛都からイヤホン越しに連絡が入る。
衛 “今日、小学生の職場見学入ってるなんて聞いてます？今、Bポイント入り口から入って行きました。”
透 “は？聞いてねーぞ”
夜 “確認する。少し待って。”
会場入り口付近で、小学生…三年生位？の集団が目に入る。
騒がないように先生から注意を受けているけれど…メンバーが近づくと、子供達の表情がキラキラになった。
「うわぁ！すっげー！本物だー！」
1人の男の子が声を出したのを皮切りに、子供達のテンションは一気に上がり、先生達が慌てだした。
夜 “何かの手違いで見学入ってるって。ホテルの仕事見学だったのが芸能人に会えちゃうからはしゃがなきゃいいけど。”
翔 “今、そのご一行様に遭遇中。絶賛、はしゃぎ中。”
透 “メンバーは？”
“ニコニコしながらハイタッチとかしてる。ちょっとごちゃごちゃしてるから…応援来れる？”
透 “了解。今からそっち向かう。”
一旦会話を終え、子供達とハイタッチを終えたメンバーを会場に入れようとした…その時だった。
「きゃー！！！」
背後から聞こえた悲鳴。
会場入り口付近でメンバーも驚いて立ち止まった。
振り返ると…
！
廊下の1番奥から、全身黒い服に身を包んだ男が、何かをわめき散らしながら、ナイフを片手に小学生のグループに真っ直ぐに走ってきている。
パニックになり、逃げようとする人でぶつかり合う現場。
“不審者が侵入してる！！子供を狙ってる！”
夜 “嘘でしょ？ガードは完璧なのに！どっから入ったのよ！”
透 “今着く。Aむちゃするなよ？”
透の声を最後まで聞かないうちに、私は子供達に向かって走りだした。
「翔威、メンバーお願い！」
パニックでごった返す人の波をくぐって、怯える子供達の前へ。
男が振りかざしたナイフを持つ手を蹴り上げ、ナイフが床に落ちた瞬間、溝うちに1発入れると…
男が苦しそうにうずくまりながら、
「引っかかったな、ザマァ見ろ。」と笑った。
まさか…
男の言葉を聞いた瞬間…メンバーの方に振り向いた私が見たのは…
パーカーのフードを目深に被った女がナイフを握って臣に向かって歩み寄る姿。
透「A！」
「透！罠だ！」
メンバーの近くにいたはずの翔威がいない。
「臣！！逃げて！！」
私の声は混乱の中、臣には届かなかった。
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作者名：まる
| 作成日時：2018年3月23日 13時
