Level S……5 (ページ32)

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1週間後某歌番組生放送Live前日リハーサル日

今回も合同警護になり、透、夜優、衛都も会場に来ていた。

メンバーと会場入りして控え室へ。

あれから、何となく気まずくて臣とも直人ともあまり会話していなかった。

邪魔にならないように片隅に立っていると…隆二が近くの椅子に腰掛けた。

隆「Aって、俺らの歌とかパフォーマンス、まともに見たことなくない？」

「え？あぁ、そうだね。周辺の情報をイヤホンでやりとりしてたりするから…。」

隆「だよね…今度さ、仕事じゃない時に、Live来てよ！」

「…夜優も一緒に？」

隆「…え？え？何で？」

慌てだした隆二を見て私が少し笑うと
「…もしかして……バレバレ？」
照れたように上目遣いの隆二。

「…わりとバレバレ(笑)。私、こういうのって疎い方なのに分かっちゃったから、他のメンバーは気づいてるんじゃない？」

隆「…マジか。…あー、確かにAは疎いよね(笑)。」

「…何か、他人に言われるとムカつくな。」

隆「何だよ、それ(笑)！」

「ふふ。冗談。でもね、この鈍感さで、いつか誰かのことをすごく傷つけちゃうんじゃないかって、時々不安になるんだよ…。」

私の言葉に隆二の表情が一瞬曇った。

隆「…例え、誰か傷ついたとしても、それはAのせいじゃねーよ、絶対に。人の気持ちなんて他人が100%汲み取ることなんて絶対にできないんだから、Aが鈍感だとか、そういう問題じゃなくて、ちゃんと言葉にして伝えなかった相手の問題だ。いい？忘れんなよ？」

「…うん、ありがと。」
私はこの時、深く考えずにお礼を言ったと思う。

隆二がこの時、何を思ってこれを私に言ってくれたのか…

それを知るのはもう少しだけ先のことになる。

隆「ってか、こんなに話したの初めてじゃない？」

「…そうかも。」

隆「普段は臣か直人さんか透さんが隣陣取ってるからな(笑)」

「………。」

隆「…そんな顔すんなって。皆すっげー良い人だからさ、Aが誰を選ぼうが、逆に誰も選ばなくても、あいつらは受け入れてくれるよ。ま、俺はやっぱり臣贔屓だけどね？」

「ふふ。相方愛だね。」

隆「直己さんはきっと、同じセリフの後に、僕は直人さん贔屓ですって言うと思うよ(笑)」

「それ、すっごい分かる。」
2人で顔を見合わせて笑った。

夜優、あなたを見つめてくれている人は、あなたと同じように、周りを幸せにする笑顔と優しさに溢れてる人だよ。