Level S……5 (ページ18)

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夜優「あんた…いつからいたの…？」

キョトンとして衛都に尋ねる夜優。

衛「んーと…“…詩音でも、透でも……直人でも…臣でも、あんたが選んだ人なら…”ってくだり？」

夜「ってか、なんでここにいるの？」

衛「透さんが呼んでくれたからですよー！俺来ちゃダメですかーー！？」

口を尖らせて怒ったふりの衛都。

夜「いーけど、盗み聞きして、その上どさくさに紛れて告白するとかいー度胸してんじゃん？」

衛「盗み聞きなんて人聞き悪い！挨拶しに来たらたまたま聞こえちゃったんです！どさくさまぎれじゃなくて、今だ！って思ったから言ったんです！」

一生懸命弁明する衛都にちょっと笑っちゃった私。

衛「って！えー！！俺、まじなのにここで笑います？Aさん！」

夜「あー、はいはい。まじなら、やり直しなさい。私、消えるから。」

「…え！？っちょっと！夜優！！」

夜「とにかく、もうちょっと素直な気持ちで自分と向き合いなさいよ！」

そう言うと、ピラピラと手を振って夜優は花火に戻って行った。

残された私と…衛都…。

衛「…すみません、何か、このタイミングで…。」

「あ、いや…。」

衛「…透さんの気持ちは分かってたんですけど…まさか、直人さんや臣さんもって知らなくて…ちょっと焦っちゃいました。」

「…あー……。うん…。」

衛「…俺、Aさんのこと一目惚れでした。その後、Aさんと一緒に働かせてもらってますます好きになって……。詩音さんがいるのは知ってましたけど、先輩としてじゃなくて、ずっと1人の女性として見てました。ずっと帰ってくるの待ってたんです。」

一旦言葉を切った衛都は…

私の目を真っ直ぐに見た。

衛「…これからでいいから、俺のことも視界に入れてください。」

「………………」

衛「返事！！」

「はい！……あ…。」

衛都の勢いに思わず返事をした私。

「「はははっ。」」

顔を見合わせて2人で笑った。

衛「俺、Aさんの頭の中、いつか俺だけにしたいです。ってか、絶対に近い将来、俺だけにしてみせます。」

ふっと真面目な顔になって私にそう言った衛都の顔は…いつもの可愛い後輩じゃなくて、1人の男の顔だった。

衛「…花火…行きましょ？」

遠慮がちに、私の手を取った衛都。

そっと差し出された想いを、振り払うことはできなかった。