063 ページ13
…
「鏡映……ごめん…。」
歩くどころか立つことさえ出来ない自分の身体を腹ただしく感じながら、私を抱き上げて廊下に出た鏡映を見上げた。
「なーに、しょんぼりモード？謝る相手、俺じゃないんじゃないの？」
チラッと私を見てからかうように笑った鏡映に無言でいると…
「…そこでダンマリかよ。お前ねー、ここは意地張らない方がいいよ？相手の力の強さを感じたから龍だって焦ったんだし。」
「…分かってる…でも…彼女はまだ異形じゃない。」
「…んなこと、龍には関係ねーんだよ、お前に危険があるか、ないか、それだけだろ。」
…
「…分かってる。」
「本当に分かってるのかね、我らが女王様は。とりあえず……っと。」
鏡映は、私を付き添いの家族が休む部屋まで連れてくると…
そこにあるベットにそっと寝かせて良い子良い子と頭を撫でた。
「怜ちゃんが目覚めた時に床の上とかだったらぶん殴られそうだから、今朝取っておいた隣のホテルにチェックインするから。お前は、仲直りしたら龍に頼んでチェックインしろ。片岡さんは病室に戻しておく。目覚めるまではどれ位？」
「私が力を解かない限り。私が眠ならければ大丈夫。」
「…それ、どうにかなんないの？」
「怜が目覚めたら連絡しろ。今日の聞き込みで気になる情報があると言っていただろう？その確認をする。いずれにしても時間がない。ここから先は時間との勝負だ、寝ている時間はない。」
「…了解。じゃあ、寝てもらうためには早く終わらせないとね。んでもって、早く終わらせるには仲直りしてもらわないとね？龍呼んでくるから仲直りしろよ。」
「…分かってる…。」
ふてくされて答えた私に、鏡映は楽しそうに笑って部屋を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 372人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
◎まる◎(プロフ) - みきさん» ありがとうございます！今日は多めに更新できました(≧∀≦)健二郎さんのことも勿論大好きで、これまでのお話でも、本当はもっともっと登場させたかったんですが…エセ関西弁になってしまって…。でも、今回はエセでも書きます！笑 (2019年8月22日 19時) (
レス) id: d297b5115d (このIDを非表示/違反報告)
みき - 更新嬉しいです。89話からのシーンにウルッときました。今回は主人公と健二郎さんに笑わせてもらっています。 (2019年8月22日 16時) (携帯から) (レス) id: 28e8727e1e (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - さこさん» いつもありがとうございます！次の事件ではデレ率上がりますので、ぜひ続きも読んで頂きたいです(^-^) (2019年8月22日 4時) (レス) id: d297b5115d (このIDを非表示/違反報告)
さこ(プロフ) - こんばんは！この主人公、めっちゃツンが強いですけど、ごくごくたまに出るデレが可愛いですね(^^)それに振り回されてるメンバーもまた可愛い(^^)先がめっちゃ気になります！更新楽しみにしてますね(^^) (2019年8月21日 22時) (レス) id: d95e73f21b (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - azusan521さん» 褒めて頂いていると勝手に解釈して…ありがとうございますm(_ _)m！ (2019年8月19日 12時) (レス) id: d297b5115d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◎まる◎
| 作成日時：2019年8月8日 5時
