君を想う〜第2章…1

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臣side






人影に…






気づかれないようにそっと近づいた。






「…1人で食べれるかな…いけるか。」






そう呟いているのは…









…絶対に会えないと思っていた愛しい人。







ケーキの上でゆらゆらと揺れるローソクの火に照らされている綺麗な彼女の顔を…







少し離れた場所で、気づかれないように見つめながら…俺は声をかけれずに立ちすくんでいた。





…だけど





…次の瞬間、聞こえて来た彼女の言葉に





…俺は彼女の元へと駆け出していた。






「…よし。…それでは…渡せなかったけど……改めましてお誕生日おめでとうございます。」









「…誰のケーキ？」







急に聞こえた俺の声に、彼女は相変わらず飛び上がって驚いて、ケーキを落としそうになって…







「あぶね！」




俺は彼女の背後から両手を伸ばしてそれを止めた。




そして…それは…偶然…彼女を抱きしめるような体勢にさせた。






「…嘘……何で？」


前を向いたまま、俺の腕の中で…消え入りそうな声で彼女は言った。





俺はそれには答えずに、もう一度聞いた。
「……誰の…誕生日ケーキ？」









…









…









「大切な人のです…」









ケーキの上のプレートには

『Happy birthday! OMI ! 』

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