君を想う〜第1章…3

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直人side







紅白と歌番組の出演が終わって、明日のスケジュールとＬＤＨTV新年会の流れを最終確認する為、一旦事務所へと向かうことに。






メンバー一斉にワゴンに乗り込む。







車内の中は、紅白の話題で持ちきり。







メンバーが後部座席でわちゃわちゃやってるのを時々振り返りながら突っ込んでいたら…







会話には入らずスマホを見ながらニコニコしてる岩ちゃんの姿。







同じくそれに気づいた健二郎が「なんや岩ちゃん、えらいご機嫌やな。」ってスマホの画面を覗いて


「…市野辺さんやん！」


叫んだ一言に、車内が一瞬だけ静まり返って、
「「「何何？」」」
臣と隆二とエリーがそれに反応して、直己は困った子供を見るように苦笑いでその様子を見守っていた。





「何？見せてよ、岩ちゃん。」
ヒョイっと岩ちゃんのスマホを取り上げたのは隆二。





「え！？ちよっ！」





慌てる岩ちゃんをよそに、エリーと臣が一緒に隆二の手元を覗く。






「…何これ。めっちゃ可愛い！」

「「………………………」」




爆笑してるエリーに、何故か無言になった2人。







「何？Aがどうしたの？」

俺の質問に、エリーは隆二の手からスマホをとって、俺にポイっと投げてよこした。



「ちょい！エリー！雑！」

岩ちゃんのそんな言葉には全然御構い無しのエリー。





手元のスマホには…


「うわー…これはあいつ幸せだったな。」


大好きなベリータルトをうっとり目を瞑りながら頬張ってるAの姿。


まるで、子供が大好物を食べてるみたいな表情で、両頬を膨らませたその顔は…まぁ、あいつに気のある奴が見たら、心臓鷲掴みの可愛さに違いない。



「ん？これ、明日の新年会のホテルじゃない？」



周囲の風景を見て、以前行ったことがある場所を思い出してそう聞いた俺に




「良く気づきましたね直人さん！そこのカフェのベリータルトがめっちゃうまいらしくって、青に市野辺さん連れて行ってやってってお願いしたんです。市野辺さん、ベリータルトに目がないって聞いて。」

嬉しそうに即答した岩ちゃん。






「逆にAの好みよく知ってんな。」


俺の突っ込みに


「地道な努力の成果です。」



末っ子は、何故か胸を張って答えた。

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